内容説明
鬼神のごとき起動力で、宿敵浅井・朝倉氏を屠り、戦国時代最強の武田軍団を懺滅し、石山本願寺宗徒を殺戮する信長。一方で宣教師に西洋の知識を求め、壮麗な安土城を築き、市場経済の改革を進める信長。人間五十年、戦乱の収拾と新時代の創造には、残された時間があまりにも少ない。それを知った英傑は明智光秀こそ偉業の後継者と思い定める。しかしその決断には、時代と隔絶した天才ゆえの悲劇が……。日本史上最大の謎とされる本能寺ノ変に斬新な解釈で挑む歴史大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
46
何か分からんけど最終話で急に流れというか何かが変わった気がするので『志、満たすべからず』に肉付けをして短編か中編で良かった気がする。上下巻は多い、1冊で良い。 藤孝らの構想(陰謀?)は面白かったが、最終的には納得がいかない気がする。ナンボ想像以上に早い秀吉の大返しでも10日ほど掛かってるので、光秀と親しい藤孝なら首を取って、その足で将軍になるチャンスがあったと思うねんけどなぁ。多分、信長が居なくなった事で良しとしたって事なんやろな。 2011/09/29
GaGa
42
織田信長、明智光秀の生涯はいろいろな作家でいろいろと描かれていて、様々な解釈が持たれているが、みなそれなりに面白い。本書も同様。ただ、タイトルが「本能寺」である所以か、本能寺の変以降があまりにも淡泊過ぎた。2013/02/06
みや
34
下巻は小説というよりも歴史考察の傾向が強かった。上巻に比べると人物との距離を感じて寂しかったが、信長や光秀の思考を探ることがこの本の第一義だったらしい。資料に残された信長たちの行動から炙り出した彼らの心理を考えるのは大変面白かった。領国を広げるのではなく全国を豊かにすることを求めた信長は国を与えずに「預けた」。それは武人たちにとっては戦いを終えた後に何も残らない。荒木村重など教養人の離反も含めて考えると、一説として凄く納得できた。信長の人生は敵と裏切りばかり。その孤独に今回も触れ、彼への愛がまた増した。2020/05/01
金吾
31
小説の一つの考えとしては面白かったです。光秀が哀れに感じました。あと藤孝が中途半端に感じました。2023/09/23
Jun1
13
光秀が信長に謀反を起こした理由は初めての説。 もう少し短くまとめてもらえるとよかった。2018/05/14