内容説明
日本生まれの中国人女性・青は、かつて米国でベンチャーを立ち上げ大成功を収めた。しかし、日本での起業にはハンディを背負い、苦戦をしいられていた--。しのぎを削りあうビジネスの裏表を、スピーディに描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さんつきくん
6
久々に面白い作品を読んだ。前半は主人公林青が設立したインターネットの検索エンジンサービスのベンチャー企業「タコボール」が苦しみながら、理解者や投資者を得て、会社を株式会社として上場に導くサクセスストーリーとして面白く読めた。後半はタコボールが他者に乗っ取られるのではないかという危機がスリルある展開で描かれていて、面白かった。1990年代後半からのITバブルやベンチャービジネス、投資する側の話。懐かしさを感じられる、当時の描写も印象に残る。作者の井上尚登さんはすでに故人。御冥福をお祈りいたします。2025/06/11
jun
4
著者の作品は映画化された「T.R.Y」に続いて2作目。前作も「騙し」がテーマだったが、本作はそれを凌ぐ壮絶な「騙し合い」の物語だ。ネットビジネス、ベンチャー企業の上場、M&Aとなかなかダイナミックな舞台装置の中、張り巡らされた伏線が次々と見事に回収されていく後半は、正に頁をめくる手が止まらず、ただひたすら騙される快感に酔ってしまった。「ビルゲイツを振った女」である林青のキャラも一筋通っていてナイス。2013/07/14
福猫
2
明晰な頭脳と、度胸と、資産があれば起業も可能に思えてくる。明晰な頭脳も、資産も、度胸もない自分の代わりに、本作の主人公が、爽快なまでに成し遂げてくれる。女性だからといって、遠慮はしないし、へこたれもしない。のされてものされても立ち上がっていく。まさに、息つく暇も無いといった感じで読んだ作品だナ。女性は特に感情移入しやすい作品ではないカナ。2004/02/11
K
2
ITバブル前後が舞台。伏線の回収が見事でビジネス小説としてよりもミステリーとしてのほうが楽しめる。2011/03/25
ながはな
1
一気読みとはいかなかったけど、周到に張り巡らされた罠にちょっとドキドキ。起業の難しさも凄くリアルに描かれてたと思いますした。2012/05/23
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