新潮新書<br> 家庭という病巣

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新潮新書
家庭という病巣

  • 著者名:豊田正義【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2012/02発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106100505

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内容説明

最も身近な存在は、最も危険な存在にもなる。我が子を段ボール箱の中で餓死させた両親、夫を尺八で撲殺した老婆、娘に性的虐待を繰り返した「理想の父親」、妻の身内を殺害した暴力夫……。身内の凶行により、家庭は逃げ場の無い密室と化す。児童虐待、DV、近親姦、高齢者虐待等、増加しつづける家庭内犯罪の実態とは――。加害者、被害者への膨大な取材を通じ、家庭に潜む病巣の正体に迫る。

目次

序章 家庭は密室である
第1章 児童虐待とは何か―愛知幼児餓死事件を追う
第2章 近親姦の闇
第3章 ドメスティック・バイオレンスの現在
第4章 逃げない被害者
第5章 加害者は矯正できるのか
第6章 暴れる子供、耐える親
終章 破れ窓の理論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

51
配偶者を所有物化するのはDV加害者の心理である。平成13年DV防止法が制定された。今では家族内の暴力も犯罪であるのは常識だ。しかし他者の介入を困難にするもう一つの問題がある。それは「共依存」という関係性依存症の問題である。この概念を理解しない限り「被害者にも落ち度がある」と見誤る危険がある。逃げられない被害者の心理状態という視点を持つこと。逃げないことすら加害者のせいだと考える必要がある。それは動物実験ですら証明済みの学習性無力症状からくる病理だ。小さな違法行為は破れ窓理論のようにやがて無法状態になりうる2015/06/24

タミイ

8
一番安全・安心で家族に全てをさらけ出せる場であるはずの家庭。プライベートな密室だからこそ他人や警察・行政が入り込めないまま、児童・高齢者虐待、DV、近親姦などの犯罪が長期深刻化するというショッキングな事実を丁寧な調査取材で被害者・加害者双方の生々しい談話を交え綴っている。両者が相互依存し離れられない特殊な心理関係や、加害者自身も虐待されて育っている世代間連鎖など、非常に複雑で根深い問題が絡み合っている。家庭という枠の中で現在進行中の犯罪もあるに違いなく、日本でも法が家庭に入り込まねばならないと痛感した。2018/01/29

こすもす

8
普通なら一番ほっとする居場所であるべき家庭(家族)が親、子供、夫婦の間に暴力が始まる。身動きできないその状況に本当に解決策はあるのだろうか  今もその地獄にさらされている人たちに警察はもっと積極的に介入していってほしいと思った。と同時に被害者のケアが大事だと思った。2016/06/25

きるきる

7
問題がある家庭は、まず例外なく外と隔絶している。専業主婦である私は、そういった外との切り離され感を、とても身近に感じる。子どもを育てたり、老人を介護したりするのに、こんなに家庭が一つ一つ孤立してていいのかとものすごく疑問に思う。幼稚園に行ったってスーパーに行ったって知らない人ばっかりだし。家庭の中で何してたって、本当に全然、他人にはわからない。著者の言うとおり、家庭内に警察や役所が強制介入する法律を作るべきだと思う。介護は社会で担う法律ができた。子どもも社会が預かることになるのかなあ。これだけ「待機児童」2010/03/25

小鈴

4
自動虐待、ドメスティックバイオレンス、近親姦など家庭内(カップル)暴力とそれを取り締まる制度とその問題に触れる。事件ライターなので事件を中心に扱う。被害者だけでなく加害者にもヒアリングし、多角的な視点で問題を見ることができる。但し、被害者のヒアリングは当たり前だが生存者に限られ、近親姦の加害者のヒアリングは失敗してる。聞くに耐えない気持ちはわかるが、滅多にできないヒアリングだからこそ実父の話をじっくり聞くべきだったろう。2009/02/25

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