内容説明
こつ。こつ。午後1時25分、今日もハイヒールの音が町の東からゆっくりと近づいてくる。足音は「僕」の仕事場のすぐわきを通り過ぎ、町の西までいくと戻ってくる。そして、町の東へ消えていく。彼女は、もう何年も同じ行動を繰り返し続けていたのに、ある日、足音が途絶えた……。人知れずざわめき揺れる心、一瞬のロマンス──読むことの楽しさを堪能できる極上の小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
4pir3
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普段見たり聞いたりしない、ファンタジーなのに、スッと頭に入ってくる。訳がわからないのにまとまっている。もう一度何処かで読み直すと思う本。2013/03/20
A'
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短編集。ファンジタックな色合いの強い短編から徐々に現実感を持っていく短編へと変わっていくなぁと感じていたら、最後の話がちゃんと一つの「本」としてのオチとなっていて、脱帽。2011/08/08
青嵐
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読んでかなり立つのに聴覚と視覚のイメージが頭の中に残っている不思議な本。
ルナ
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作者は、鬼のような小説の巧さをお持ちなのにタイトルはお粗末な気がする。 これはあえてタイトルを悪くして、作家志望者に隙を見せているのかな。 あまりにも完璧すぎると小説は息苦しいからタイトルくらいは不細工にと分かった上でやってるとしたら、それはそれでまた巧い。2019/01/14