内容説明
近江の商家に残る多くの家憲・店則などから、注目に値する代表的な箇所を紹介。その家と時代に関する解説を加えて、近江商人の経営理念に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またおやぢ
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「売手によし、買手によし、世間によし」の『三方よし』を旨とした近江商人。江戸時代の幕藩体制の中で、その体制からはみ出していた彼らが、自らの存在価値を他者に認めてもらい、商いを存続すべく導き出した商人道である。藩内の自給自足を原則とする経済体制の中で、唯一大身商人だけが市場原理に従って動く自由な商人であり、故に「近江泥棒」とも揶揄されたが、出先で需給の調整をし経済的貢献をすることが、彼らの矜持であったのだろう。商人の社会的責任を重視し、利益は余沢であると考える事こそが、今見直すべき理念であると示唆する一冊。2016/04/12
148cm
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現代の経営者たちが学ぶ近江商人の「三方よし」。その経営哲学がいかにして生まれ、脈々と受け継がれてきたかが記されている。 もっとライトな内容と思い手にしたのだが、思いがけず、家憲や店則など生き生きとした商家の姿に触れることができた。2019/07/28