内容説明
「二十二歳の自分への手紙」。司馬が晩年に語ったこの言葉に託した思いとは-。敗戦後、急速に「発展」する日本社会。華やかな時代とは裏腹に、司馬は一人、自らの精神を内向させていった。膨大な作品を発表し、国民的作家として多くの人びとの支持を得ながらも、語る相手がいないと絶望した作家の心の葛藤と闇を探る。
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目次
はじめに
第1章 平和と繁栄の時代
1 スタート
2 晩年
第2章 アイデンティティ、あるいは「心の憑代」
1 猪飼野
2 近代化と「囲堤」の消滅
第3章 失われた町を求めて
1 赤手拭稲荷から鼬川へ
2 夢の界隈図
3 「他人の秘事」と評伝と
第4章 難波塩草
1 家主と店子
2 福田薬局
3 難波塩草尋常小学校 I
4 難波塩草尋常小学校 II
第5章 一九四五─五四年(昭和二十年代)、京都時代から作家誕生へ
1 結婚
2 「見知らぬ女」
第6章 『俄──浪華遊侠伝』
1 歴史小説と伝記のあいだ
2 「市会の血の雨」事件
3 家族
第7章 二十二歳の自分への手紙
1 鳥瞰法
2 虚空
おわりに



