中公新書<br> 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

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中公新書
親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

  • 著者名:島泰三【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2013/12発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121017093

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内容説明

一本だけ離れて生えている太くて短い親指、ガラスさえ噛み砕くほど堅い歯。人類の手と口は、他の霊長類に例のない特異なものである。霊長類の調査を長年続けてきた著者は、サルの口と手の形、移動方法は、その主食によって決定されることを解明し、「口と手連合仮説」と名づけた。なぜアイアイの中指は細長いのか、なぜチンパンジーは拳固で歩くのか、そして人類は何を食べ、なぜ立ちあがったのか。スリリングな知の冒険が始まる。

目次

第1章 アイアイに会うために
第2章 レムール類の特別な形と主食のバラエティー
第3章 アフリカの原猿類の特別な形と主食
第4章 ニホンザルのほお袋と繊細な指先
第5章 ナックル・ウォーキングの謎
第6章 ゴリラとオランウータンの謎
第7章 初期人類の主食は何か?
第8章 直立二足歩行の起原
終章 石を握る。そして、歩き出す

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃま坊

14
赤瀬川原平氏のエッセイで知った本、15年ぶりの再読。食物から猿の歯と指の進化を考察する。人類の祖先が草原で拾った骨を石で打ち割っている姿が目に浮かぶ。他の動物が食べることができない栄養分が骨の中にあるのだ。弱い生物は弱いなりに生態系の空席ゾーンを見つけて生きる。その空席のことを指すのがニッチだ。これを知って以来「ニッチ」という言葉はずっと頭の中を大きく占めている。生物は常にライバルのいない隙間を探している。これは現代人の生き残り戦略の参考になる話だ。2019/06/24

デビっちん

9
生存するために他の動物と異なる主食を開発することで、その動物が生きていくニッチが確保される。著者は、口と手の形、移動方法は、その主食によって決定されることを解明し、「口と手連合仮説」と名づけた。大型の肉食動物たちが食べ残した骨を割ることができれば、脂肪の塊である骨髄は主食となる。堅い骨を割るには石が必要であり、それを握りしめるために親指は太く進化した。アイアイ、チンパンジー、ゴリラやサルの手の構造が詳細に記載されていて、そのどれもが主食を確保するための進化を辿っていったことに知的好奇心が満たされた。2016/01/13

米川青馬

3
読了。大きく2つの仮説を扱う本。1つは著者独自の「口と手連合仮説」で、霊長類の口と手は、その種族の主食に合わせて進化したというものだ。もう1つは、「ヒト=ボーン・ハンター仮説」。ヒトの手は石をつかみ、振り下ろす(骨を砕く)のにちょうど良い構造で、ヒトの平らな歯列と厚いエナメル層の歯は、骨のかけらを口の中で転がし、すり潰すのにこれまたちょうど良い。つまり「口と手連合仮説」から考えると、ヒトは骨を主食としていた! 素人の僕はこれ以上なく納得したが、他の研究者はこの仮説をどう考えているのだろう。反論も知りたい。2012/02/14

diet8

2
熟果実は落ち易く未熟果実に混じり選び取る故人差指と向かう親指必要●チンパンジは移動時ツルを握りしめる親指は邪魔故短い●アウストラロピテクス四百万年前に直立歩行も150-200万年間脳容積不変●現生人類の盲腸小さく大量食物繊維処理不能●ニッチは骨髄だけでなく骨自体●石を握る大親指と、硬度4骨を硬度7(水晶)エナメル質が前後左右上下すり潰す平らな歯列● 石携帯故二足歩行●複数系統で二足歩行独立進化したかも● 骨に果実や葉で高カロリー良バランス●サバンナに骨無限●肉でなく骨は運搬時動物に狙われない。石は武器にも2020/04/05

emile_emile

2
霊長類における手と食物の連合という仮説をフィールドワークをメインに検証しながら、初期人類の主食を理論付けていく。他の説への反論が弱かったり、もっと実証がほしいとは思ったものの、著者が実際に骨を食べる描写をみて、みょうに納得してしまった。ていうか、ほんとに食べれるのかな。学説的には信憑性ないけど、ロマンはある。2015/06/09

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