内容説明
気宇壮大、抱腹絶倒、実際はホラではなくホラのような真実を売る、日本国内独立国ブームの元祖的作品『第三惑星ホラ株式会社』。恐怖と戦慄、全世界を震撼させた、あの第五福竜丸の“死の灰事件”に材を得た未来小説『人工の星』ほか、星新一氏も絶賛する日本SF界の先駆的作品13篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めがねまる
22
まだSFという言葉もなかった頃の小説も含むSF作品集。どれもユーモアと物哀しさが同居していて北さんらしい。『第三惑星ホラ株式会社』で独立国家をつくるのはカレーライスをつくるより難しい、と言いながら実際にはマンボウ・マブゼ共和国をつくってしまったんだから面白い人だ。登場人物が精神科医だったり、山登りを趣味としていた人だったりして、どことなく作者の顔が透けて見える。くどくないけど強い個性があってとても面白かった。ホラ株式会社の他には『意地悪爺さん』『買物』あと表題作『人工の星』が特によかった。2017/06/01
双海(ふたみ)
17
解説で星新一さんが褒めちぎっているのが本書。ただしその書き出しは「北さんが主席にして天首であるマブゼ共和国から、私は文華勲章をもらっているのである」というなんとなくお茶目なものです。2014/06/01
やまねっと
5
まだSFという言葉がなかった頃に書かれたSF短編集。 北杜夫は初めて読んだが、私には合わなかった。物語が頭に入らず、字面だけ追った感じで読了してしまった。 物足りなかったのだろうか?私にはこの本が記憶に残ることはないだろう。 ショートショートも入っているが、面白くなりかけたところで終わったりしたから少々拍子抜けの感があった。 どうしてこの本を買ったんだろうと思っていたが、20年以上前で北杜夫でも読んでおいた方が良いだろうという動機から買ったと思う。 SFとして読むとちょっとガッカリすることになると思う。2023/05/16
オルガ
0
北杜夫のショートショート。SF的な話に毒も入っていて面白かった。意地悪爺さんの話がお気に入り。2014/09/15
1977年から
0
1987年