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内容説明
ラカン、ストロース、バルトなどの構造主義者に多大な影響を与えた、言語学の巨人・ソシュール。彼がジュネーブ大学で行った「一般言語学講義」を、今21世紀の文脈で読み解く。
目次
第1章 ソシュールは何を解明しようとしたのか(文字が作られた背景 「品詞」を考えたギリシア人(紀元前一世紀)
普遍文法―ポール・ロワイヤル文法(一七世紀) ほか)
第2章 ソシュールが目指した言語学(言語学の対象―ラングとパロール 言語記号 コトバのしくみを探るための視点)
第3章 ソシュールが明らかにしたコトバのしくみ(コトバの単位 コトバに見られる体系性 連合関係と連辞関係 ソシュールの構造主義)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetuneco
8
コトバの謎解きまでは到達できなかったものの、ソシュールが何をし、何をしようとしたのかは、なんとなく理解。タイトルの機能は果たしている本。2011/01/18
No Nis
5
良い入門書だと思う。ラングとパロール、能記と所記、言語記号の恣意性、共時態などなど基本的なソシュールの命題がわかりやすく嚙み砕いて解説されている。なぜ日本語で犬と言い英語でドッグなのだろうか。それが言語記号の恣意性、つまり「たまたま」らしい。しかし「犬」があの愛くるしい動物を指すことは、現代の日本語を知る人間のあいだで共有されている(これを共時態というらしい)。この事実が「たまたま」であることに衝撃を受け、自分としてはなぜそうなったのか非常に疑問に思った。知識欲を掻き立ててくれるいい一冊だった。3/52017/06/23
ぽんぽこ
4
昔むかし勉強したソシュールについて再履修。言葉は変化していくのは当たり前のことであり、新しい単語は新しいモノや制度から生まれる。違う言語で同じ意味のものなどない。単語を覚えなければ言語は使えない、これを受験勉強のときに知りたかったです。とても難解でしたが、一読して良かったです。また近いうちにソシュールについて学び直したいです。2023/10/05
すべから
3
誤用で認識されていることの方が多い言葉は、もはや誤用を正とするのが言葉の機能としてのあるべき姿なのでは?とかねてから思っていたが、それを肯定する記述があって嬉しかった。 「現代日本語が示しているしくみをきちんと記述しようとするのなら、とにかく観察するのは現代日本語という共時態だけでいいわけです。」 全体的にはややこしくてあまり理解はできなかった…。 2022/08/02
影実
3
積読本。近代言語学の父といわれているソシュールの経歴や学説を紹介、解説した一冊。20年ほど前の本だが、講義のように語り掛ける文章に加えて、ラングとバロール、能記と所記(シニフィアンとシニフィエ)、共時態と通時態といった様々な概念について、要所要所で具体的な日本語での例を入れて説明しているおかげで言語学の知識のない門外漢でも取っ付きやすかった。言葉が通じるということについて特に意識したことが無かったので、紹介されている内容はどれも興味深かった。2022/05/22