内容説明
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写真家・土門拳の世界に、じっくり浸る写文集。「好きなものしか撮らない」と言い切る土門拳の美意識にふれ、彼の凝視が選びとった日本の美は、原始・古代美術や建築・工芸の細部、やきもの開眼、そして風景と幅広い。「大事なモノは見れば見るほど魂に吸い付き、不必要なものは注意力から離れる……」会心の一枚を撮るまでの心の過程も名エッセイに残る。土門の目ざしたリアリズムの真髄、彼の写真の持つ迫力の源が見えてくる。★文庫オリジナルを電子化。
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目次
強く美しいもの(考古学にめざめる 法隆寺釘隠し 写真と想像)
やきものへの開眼(古窯遍歴 知らないものには夢がある―丹波立杭 わが信楽 まぼろしの古九谷)
手でつかめる風景(花を撮る 手でつかめる風景 モミジに酔う)
師を語る 凝視と撮影のあいだ(藤森武)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
47
2008/9/17 7&yにて購入。 2014/1/6〜1/8 土門拳氏のフォトエッセイ集の最終巻。これまでの仏像ではなく、自然、焼物など、美意識に適ったもの達を鋭く切り取る。巻末にお弟子さんが書いておられるが、何気無いものを芸術にする構成力がやはり常人とは違うのだろう。こういうセンスはやはり先天的なものなんだろうなぁ。2014/01/08
姉勤
34
写真家 土門拳が感じた被写体への所感。縄文土器、土偶、塗物、焼物、建築物、そして天然自然。それは表題の通りか。長年の時を超えて(時代が付いた)盆についたヒビも人と自然のコラボレーション。特に焼物は、人工物だが、水と土と火という人の手を経ての「天工」としつつも、贅を尽くした日光東照宮を「滑稽」とバッサリ。巻末のお弟子の回顧は、今では「パワハラ」のたった一価値観で抹消されるようだが、そんな下賤の判断は後世に残して良いのか、無限の視点で見定めたい。2023/07/07
おせきはん
9
土門拳氏のフォトエッセイです。写真の迫力だけでなく、「備前焼は、火で土を焼くというより、火そのものが土になったとしか思われない『やきもの』である」という記述をはじめとする、美に対する独特な鋭いコメントも印象的でした。2018/08/24
さんぺい
0
弟子の方が話されている、「人間の目は二つで立体をつかんでいるけれど、レンズは一つだから、ものに近づけば近づくほど人間の目とのちがいが出る、遠くから見ればほとんど差がない‥」という望遠へのこだわりは、黒澤明監督と一緒だ!2025/01/23
halow
0
当時は当たり前なものをあえて撮る試みだったのだろうか。自分の感覚ではセルフオリエンタリズムな受容の仕方をどうしてもしてしまう。2022/02/22