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内容説明
「恋愛」という言葉が近代になってつくられたことはよく知られている。では「恋人」はどうか。徳川時代には「情夫・情婦」というのがあったが、それはどういう意味で使われたのか? 「情欲」や「不倫」はいつ頃生まれたのか? また「逢い引き」は? 本書では、『太陽の季節』『チャタレイ夫人の恋人』等の文学作品、各時代に流行った歌謡曲やマンガ等を材料に、時に外国語との比較を交えながら、性と愛にまつわる日本語の意味の由来や変遷をたどり、日本語の面白さを発見していく。
目次
第1節 「恋人」の歴史
第2節 デート、逢い引き、ランデヴー
第3節 「セックス」という言葉の運命
第4節 情欲―性欲と恋愛
第5節 愛の告白
第6節 処女と童貞―処女は近代の発明?
第7節 情事の終わり、人妻との恋
第8節 「好色」から「スケベ」まで
第9節 「老嬢」からシングル・ライフへ
第10節 片思い、女たらし、嫉妬
与一節 いい女には「しなやか」が似合う?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
22
色恋に絡んだ言葉の変遷って直ぐに別の表現を作り出して変に曲解して使われ出して手垢がつくとすぐに破棄されてというのを繰り返してる感じがしますな。冒頭の「パートナー」もそうだけど妙に照れて変な意識がこうやらかしてるんだろなーと。その辺の切り込み方は流石としか言い様が無いというか。4年の差がこんな開くもんかーどんだけ脳味噌ちゃんと使ってなかったんだよ自分orzというのも味わえる面白い本です。2014/07/31
かやは
11
言葉の変移を見ていると、人間の関係性、環境の変化にも気付く。昨今の恋愛は自由過ぎて逆にありがたみが無くなっているのかもしれないなあ。ひとつの語句に対して深く踏み込まずさらっと流している感じがするので、もうちょっと突っ込んで欲しかった。2015/06/04
ウイロウ
7
私は七〇年代前半の生まれだが、「『セックス』という言葉が性交の意味で一般人の間に定着するのは、一九七〇年代後半のこと」など、この本で初めて知ったことは多く、目からぽろぽろウロコが落ちる思いだった(中学時代、国語辞典で該当の項目を引き、級友たちとバカみたいに騒いでいた記憶がある)。初期の大江作品では、性器を意味する「セクス」が多用されていたけれど、あれって単なるカッコつけじゃなかったのか。やはり言葉の歴史的な変遷をたどることは大事。日ごろ何気なく使ってしまう表現に関してこそ、注意深くあらねば、と改めて思う。2016/01/11
renren
5
このテの言葉、辞書には載らないし、特に学術用語が意味の一義性確定性・安定性を強く要求するのに対し、すごく変わりやすくて繊細な用語群なんですよね。「広くみんなでわかる」ための言葉ではなく、隠語的に「あなたと私で今だけ通じればいい」みたいな感じで。歴史的に日本における性・愛の意識の変遷を如実に反映していて、言葉=思考のかたち、というのは本当なのだと実感。あと、「片思い」「人妻」が、万葉時代と今だけ使われてて間すっぽり死語だったというのも斬新だった。何でも知ってみるものだなあ・・。2010/10/07
さとちゃん
4
2003年刊。性と愛にまつわる言葉の変遷を取り上げる。「片思い」も万葉集の時代の使われ方から現代の意味まで取り上げてあり、面白い。「片思い」の逆を現代人に訊けば「相思相愛」だ、と言うだろう。と取り上げてあって、ここにも時代の移り変わりを感じた。2020年代の今なら「両思い」という人が多いだろうから。「両片思い」なんて言葉もあるしね。2025/04/24
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