内容説明
水だけでそばを食わせる究極のそば屋「無上庵」の店先にめんつゆを置き去る妖怪の正体(「無上庵崩壊」)、作家志望者が新進作家の名を騙ったがため立てた殺人計画(「郷土作家」)、スランプ俳人が素人の一句に天啓を受け発狂(「梅の小枝が」)など田舎ならではの怪事件! 探偵なき村落を犯人だけがひた走る!! 傑作ギャグミステリ全十三話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
67
田舎ならでは、いや田舎だから?半日あればどんな出来事でも全家屋に伝わってしまうというような辺鄙な場所で巻き起こる騒動・・・騒動ならいいけど殺人事件が起こるから怖い!いろんな田舎が舞台(田舎から出てきた男とか)の13話の短編集。人間の正気と狂気の紙一重のところを、そんな事ありえねぇ~!って面白可笑しく読ませてくれる。「銀杏散る」が好き。東海林大学に入学したのを東大と言ったら田舎総出のドンチャン騒ぎ。証拠を見せろと言われて東大生の学生証を盗みに入った男の結末は…。こんなイヤミスも面白い!2020/01/11
くまちゃん
15
ギャグミステリーと言っていますが、ギャグと言うほど笑えないし、ミステリーとも言い難い。私には合わなかったかも2020/02/14
ジャム
8
田舎で起きた13の奇妙で馬鹿馬鹿しい事件たち。自分にはちょっと口に合わないバカミス満載だったので総合的にはあまり評価は高くないですが、唯一高校野球の名門校出身のおやじが経営する弁当屋のライバル校に対する悪だくみを描いた「恐怖の二重弁当」はツボにはまりました笑2017/02/09
ネムル
5
ギャグミステリ、バカミスというより、ミステリ未満小説? もちろん誉め言葉。自意識過剰で脳足りんな田舎人が地方ルールに踊らされてバカやらかして、それをカバーしようとバカの連鎖の中で自滅するという。探偵も観客も必要なし! 田舎バカ盛衰史という珍作集。2009/05/25
gu
4
無知と見栄としがらみで八方ふさがりになった挙句狂気に突き抜ける13篇。小さい世界がどんどん肥大化したて引き起こされた惨劇はどこまでいっても卑小で救いようがない。「恐怖の二重弁当」で乾いた笑いがおさまらない。すごく馬鹿馬鹿しい。だけどこの作品の正体はたぶん怪奇だ。2016/01/11