内容説明
時に戦雲が天を覆う春秋時代前期、「管鮑の交わり」として名高い管仲と鮑叔は周の都で出会う。
以後、ふたりは異なる性格ながらも互いを認め、ともに中原の沃野を駆け抜けていく。
しかし、時代はまだこのふたりの天才を知らなかった―。
のちに、思想家、為政者として卓越した能力を発揮し、理想の宰相と称された管仲の生涯と、彼を支えた人物群像を余すところなく描いた、渾身の歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミネ吉
15
「管鮑の交わり」で有名な(と言ってもこの小説で初めて知ったけど)春秋時代の斉の名宰相・管仲を描く歴史小説。前半は管仲が世に出る前の不遇時代と、管仲の才を信じて何かと援助する鮑叔が描かれる。歴史小説ではあるものの、管仲のネガティブ思考がじっくり丁寧に描かれており、ちょっと気が滅入る笑。鮑叔の存在がなければ管仲は世に出ることはなかったのだろうな。下巻へ。2024/07/15
星落秋風五丈原
13
最初に現れた管仲はかわいくなかった。 宮城谷作品「売られた宰相」では、有能な百里奚の就職を阻み、「侠骨記」 では、優位に立った魯との会合で、国を思う男・曹かいの単身の侠気の前に、自らと君主・桓公に刃を突きつけられる醜態を曝す。とても冷たい人間に思えての同情心や共感が湧いてこなかった。 冒頭に登場する管仲は、遊学に来たばかりの 気のいい貴族の坊ちゃん・鮑叔に、宿を世話する。「親切な人」と思うがちゃっかりと手数料を取っていた。やがて管仲もまた、自らを窮地に陥れた男を自分の部下にし、「許す」側の人となる。2003/05/02
KIWA
8
なかなか馴染みの少ない春秋戦国時代。管仲と鮑叔の交わりを描く。どちらかというと、題名となった管仲より、鮑叔の方に魅力を感じる上巻でした。陰と陽ならば、やはり陽の方に魅力を感じてしまうのは仕方ない。しかしこれからどのような展開になるんだろうか、全く知らない時代なので、楽しみです。2024/09/29
ごんちゃん
5
管仲・楽毅と言えば、三国志で名前だけ見かける人。諸葛孔明と比較される偉人らしいけど、何やった人なの?ってことで読んだ。上巻は管仲、若かりし頃の苦労話っていうか、家族や女性問題にウジウジ悩んでるだけのような気も。全く活躍しまへんな。下巻へ期待。2015/10/03
著者の生き様を学ぶ庵さん
4
なぜ師弟関係の管仲と鮑叔が争ったのか、通り一遍の説明では腑に落ちない。 宮城谷昌光先生の解釈や想像が入るにせよ、下巻の最後には納得できる記述がある。 また、争った後の管仲・鮑叔の関係も誤魔化さず、明らかにしてある点も素晴らしい。2015/05/23
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