夏の約束

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夏の約束

  • 著者名:藤野千夜【著】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • 講談社(2013/11発売)
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  • ISBN:9784062737050

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内容説明

ゲイのカップルの会社員マルオと編集者ヒカル。ヒカルと幼なじみの売れない小説家菊江。男から女になったトランスセクシャルな美容師たま代……少しハズれた彼らの日常を温かい視線で描き、芥川賞を受賞した表題作に、交番に婦人警官がいない謎を追う「主婦と交番」を収録した、コミカルで心にしみる作品集。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

247
1999年下半期芥川賞受賞作。ゲイのカップルの日常を明るく描き出した小説。会社員のマルオはカミングアウトしたわけではないが、社内ではみんなにゲイであることを知られている。相手のヒカルと街中でも堂々と手をつないで歩いたりもする。それで特に大きな不都合もないし、アパートの階下に住む岡野さんとの関係も良好。他にも性転換したたま代さんなど、ユニークなキャラクターが登場するのだが、では小説として新しいかといえば、登場人物の設定以外に斬新さはない。選考委員たちも素材に眼を眩まされた感がなきにしもあらずだ。2013/07/12

absinthe

175
随分と読みやすい作品で驚いた。性同一性障害を正面から取り扱った作品。タッチがコミカルであまり深刻にならないところが良い。これなら人物と親しくなれそうに思う。時につまはじきにされ、また、悪意を持って拒絶されなくてもどこかにわだかまる後ろめたさに近い感覚。何も違わないじゃないか、と言えばいいのか、違っていてもいいじゃないかと言えばいいのか。来年、夏の約束は果たされるのかな。2021/05/04

しんごろ

157
『夏の約束』…セクシャル・マイノリティ達のごく普通の日常をなんともコミカルで、妙に微笑ましくもある。夏にキャンプに行く約束をしたキャンプに行こうとする話なんだけ、とにかく読んでて心地よかった。『主婦と交番』…ここまで交番に取り憑かれた人がいるのだろうかという話なんだけど、これもなかなかのユーモアさ。デビューは藤野千夜さんの方が先なんだけど、どことなく今村夏子作品に似てるかな。表題作が芥川賞作品。自分が読んだ芥川賞作品では、一番明るい話でもあったかな。2023/09/16

新地学@児童書病発動中

110
表題作は2000年の芥川賞受賞作。他に短編の「主婦と交番」を収録した本。どちらも面白くて、読みやすかった。世間からずれた生き方をする人たちを描く「夏の約束」は、非常に面白い。ゲイのカップルやトランスジェンダーの美容師など、個性的な人達が出てくる。彼らは世間に適応できないことを自覚しているのだが、特に悲観的にならずに淡々と生きている。それを描く作者の筆は、ユーモラスで暖かくて心の奥にぐっと入り込んでくる。この作者の本を読むのはこれが初めてだったが、他の作品も読みたくなった。2017/06/04

kaizen@名古屋de朝活読書会

110
芥川賞】「夏の約束」は短編なのに3度目で完読。1度目はなんだかうんざり。2度目は途中の事故がご都合主義だとの感想を読んで結末を確かめ、3度目に通読。3度目に読んだとき、過去に読んだことがあることに「キャンプ」「たま代」という言葉で思い出した。肥っているなど身体の特徴と精神的な特徴があっても、人間として歪んでいる訳ではないことを伝えたかったのかもと思った。違っていたらごめんなさい。2014/06/10

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