内容説明
学校英文法から感覚の英文法へ
英文法の規則や用法を丸暗記する必要はない。ネイティブの語感をじかに捉えること。theは「一つに決まる」ときに使われる。過去形は物理的時間の過去時を意味せず、「遠く離れたものを眺める視線」の中に存在する。現在完了形は過去の事態が眼前に広がる感触を示す。感覚からの見直しは、英語学習に効率と繊細と洞察をもたらす。動詞や冠詞、前置詞、時制などについて、その基本イメージから鮮やかに再構築する、文字どおり画期的な英文法論。
目次
序章 回帰―機械から感覚へ、規則からイメージへ
第1章 遍在―感覚は英語を覆う
第2章 無機質―感覚の通わぬ世界
第3章 虚構―日本語訳・規則・用法分類の絶望
第4章 イメージの構築
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
32
英文法を壊されたら困りますが、矛盾とこじつけだらけの英文法を上から大きく包み込むという感覚でしょうか。分子構文の臨場感、Glancing over my shoulder,.....。will(意志)の表す未来とbe going to (進行形)が表す未来の違い、oversee とoverlook の違い等々、感覚で分かるというのは理解しやすい。ただ、英語圏で暮らしたことがない普通の日本人にとって理解できない感覚もある。やはり言葉は文化、機械翻訳では分からない面白さがありますね。2020/12/20
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
23
「英文法をこわす」というちょっとラディカルなタイトルだけれど、内容は学校文法を捨てて、もっと感覚的に捉えよう、ということだと受け取った。一番参考になったのは、学校文法についての記述だ。「学校文法は本質的に、規則・用法分類の体系である」。今、私の周りには英文法に強い人がとても多い。しかし、海外や外資系の会社で英語を毎日使って生活していた時は、周りに英語学を体系的に学んだ人はほとんどいなかった。そして、不思議なのは英文法や英語学に博識の人が英作文ひとつ自信をもってできないという事実。2023/06/06
びっぐすとん
19
最近サボりがちだが、毎朝ラジオ講座でお世話になってる大西先生の本。要点は講座のテキストと同じだが一冊にまとまっているのでわかりやすい、イメージを表す写真はテキストのイラストの方が分かりやすいかな。何でも日本語に当て嵌めようとすると無理がある。説明がつかないものはイメージでつかむ方が解りやすい。特に前置詞は使い分けのイメージがしやすい。真面目な本だけど例文が大西先生らしくお茶目。チンピラにボコられるとか、慣例に従って川へ洗濯に行き桃太郎を拾って二つに割るとか思わず噴いた。2021/01/19
HALI_HALI
8
良書。英語が苦手だった人には学ぶキッカケを与え、大学受験レベルの英文法を学んだ人はブレイクスルーを受ける印象。助動詞、前置詞、冠詞、時制など日本語の感覚では掴めないような概念のイメージを感じられる。ビジネスイングリッシュばかりで忘れがちであった言語の奥深さと面白さを再確認。2019/01/01
バケツ
7
『一億人の英文法』に似てるなと思ったら同じ著者。相変わらず分かりやすい。一億人の英文法との大きな違いは英語長文が取り上げられていること。イメージで捉えることによって、英語長文が生き生きしたイメージを伴って感じられるようになる。良い本。2023/01/11