内容説明
men(人的戦力)、materials(装備)、money(戦費)――戦争の勝因は、この三点で語ることができる。明治以降の日本の「装備」の研究については進んでいるが、近年の外交、財政の不手際を見ると、実は明治以降の「人」「カネ」に関しても負けるべき要因があったのではないかとの疑問が浮かぶ。現在、「人」「カネ」で世界を仕切っているのはアングロサクソンであり、彼らは戦争でも「常勝」している。彼らの「戦争と経済のカラクリ」がわかれば、日本の弱点と突破口が見えるのではないか。本書は、第一章/戦争できる国づくりを支えるモノづくり、第二章/戦費調達に成功した国が勝者となる、第三章/有事を生きる国民たち、第四章/現代日本の国防はこれでよいのか、という構成で、「人」「カネ」をいかに使えば日本が21世紀に勝ち残れるかを説く。希代の軍学者が自信を喪失した日本人に贈る「日本に競争力がつきすぎて困ってしまう」戦略。
目次
第1章 戦争できる国づくりを支えるモノづくり(日本国がなくなっちまうとはつゆほども考えぬ日本人 高卒で自衛隊に入ったいきさつ ほか)<br/>第2章 戦費調達に成功した国が勝者となる(「信用創出」がなければ戦争に勝てない 平時の実弾演習の規模で勝てた日清戦争 ほか)<br/>第3章 有事を生きる国民たち(戦争国策と投資と情報が結合したのは十字軍以降 英国は十九世紀の情報収集のチャンピオン ほか)<br/>第4章 現代日本の国防はこれでよいのか(海軍だけでロシアから日本を守れたか 弱小航空産業は一刻も早く大同合併すべし ほか)