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内容説明
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『海の幸』で二十歳そこそこの若さで一躍名を知られ、天才、鬼才の名をほしいままにした青木繁。だがその後の人生は不遇の連続だった。画家を志す女性と恋に落ち、一子をもうけるが、画を描くこと以外に生きる術を持たず、生活は困窮を極める。やがて女性と別れ、福岡で親兄弟からも見放されて、肺を患い29歳の若さで、淋しく死を迎える。美を愛し、美に殉じた天才画家の生涯を描ききった労作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浮舟りつ
5
晩年の放浪生活は実に悲惨。痛ましくてならない。これほどまでの才能を持っていながらどうして社会に適応できなかったのか。才能を認め助けたい気持ちがあったとしても、恩をあだで返され続けたら、私でも愛想を尽かしてしまうのかもしれない。あと少し生活力や責任感を持っていたらもっともっと素晴らしい作品を遺すことができたに違いない。 彼の絵は、遠くからでも「青木繁だ!」と主張して絵の前に引き付ける魅力は、彼の精神性から来る個性だと信じたい。2015/04/29
Rinopy
4
ブリヂストンでの展覧会にご一緒した友人にお借りした。とてもよく出来た小説ですいすい読めました。繁さんの一生を見るにつけ「非凡な才能があるというのは平凡な人よりも寧ろ不幸なのかも」と思わせてしまう。才能に恵まれ、賞賛され、友人たちには助けられ、女性にはモテたのに、どうしても貧困から逃れられず愛する家族に見捨てられて夭折…自業自得な部分もあるけど、悲劇性がますます作品と画家として後世に名を残しているようでようで切ない。ゴッホもそうだけど「生きている内に認めてくれ!」って言いたいだろうなあ…。2011/09/25
木花咲耶姫
3
府中市美術館ゆかりの作家。黒田清輝主宰の白馬会のメンバーであり、日本美術史に貢献した人物。それまでの西洋かぶれや退廃的な文壇・帝展に、『海の幸』で新しい風一つの風となった。
river
3
とにかく悲劇だなぁ、と。さまざまなものを代償に高い芸術性を手に入れた青木氏は本当に不幸だったのか。ひねた考えかもしれないが、一面では幸せだったのではないかとも思う。2012/01/10
昭和子
3
芸術に生きた人の人生はかくも大胆で不遇だった2011/05/30