内容説明
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アマ将棋界の強豪、小池重明は44歳の若さで短い生涯に投了を告げた。高段位の花形プロを次々と打ち負かして無類の強さを発揮する一方、人妻との駆け落ちをくり返した破綻の人生だった。真剣師とは賭将棋を生業とする、いわば将棋のギャンブラーのことで、その稼業はいまや完全に消滅している。小池の晩年を伴走した団鬼六氏だからこそ書けるエッセイや小説に加え、小池自身が書き残した『自叙伝』を収録し、最後の天才真剣師の実像に迫った。
感想・レビュー
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むーちゃん
64
読了。藤井竜王(2023年3月11日現在5冠)が席巻する現在とは、赴きが違う人物、背景。面白い時代であり今と違った意味で魅力的なかただったのでしょうね。最後はやっぱり自己監理(心身共に)ですかね。2023/03/11
緋莢
16
新宿の殺し屋」の異名を持ち、アマの強豪だけでなく、プロにすら平手で 勝ってしまう真剣師・小池重明。無類の強さを誇りながらも、酒とギャンブルにおぼれ、人妻との逃避行を繰り返すなど、私生活は破綻し、44歳の若さでこの世を去った。詐欺騒動で将棋界を追放されていた頃から、小池と付き合いが始まった著者がその姿を書くエッセイ、葬儀の後に行われた座談会、そして、小池自身が書いた「自叙伝」を収録した本。2017/01/08
ラムネ
4
子どもの頃から、父と将棋をして勝ったことがない。何度やっても面白いように防御を突破され、攻撃はことごとくその意図を読まれた。嬉しそうな父の顔が心に残る。お陰様でまだ元気である。でも、もう将棋を指すことはないだろうから、父は無敗のまま勝ち逃げるすることになるのだろう。父との思い出はなぜか悲しく切ない。僕もまた父であり、かつての父と同じ道を、その背中辿るように歩くからだろうか。将棋もまた、悲しく切ない。その将棋を愛し愛され、裏切り裏切られ、それでも将棋とともに、誰よりも純粋に、不純に生きた男の記録。2016/04/03
つちのこ
2
前作『真剣師小池重明』『真剣師小池重明疾風三十一番勝負』を読んでから早5年が経過し、続編となる本書をようやく手に取った。追悼集のような構成になっており、放蕩三昧の生涯を送った小池が周囲の人々にいかに愛されていたのかがわかる。収録されている小池が書き下ろした自叙伝も面白い。(2003.1記)2003/01/08
hommasusumu
1
真剣師小池重明(幻冬舎アウトロー)とほぼ内容重複。重明自叙伝があり、鬼六の脚色の部分がわかる。2015/03/26