黄色い目の魚

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黄色い目の魚

  • 著者名:佐藤多佳子【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2013/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104190034

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内容説明

海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rosemary*

51
家庭にも学校にも居場所がない村田みのり。唯一心安らげるのはイラストレーターの叔父のところ。離婚で父を知らずに育ち、亡くなる前に一度だけ会ったことがキッカケで絵をかくようになった木島悟。本気になれないサッカー部員。いろいろ悩む二人が、絵を介して距離を縮めていく。不器用ながら真面目で、若さゆえの不安や焦燥感、葛藤、もどかしさなどが胸にヒリヒリと伝わってくる。その心情が情景とリンクして何とも言えないハーモニーを醸し出す。最初の短編から、10年後に派生した連作短編となっているが、その後も是非よんでみたいな。2014/07/17

星落秋風五丈原

47
誰かを好きになる事は、いい事ばかりではない。 逆に失う事の恐怖を抱え込む事になる。著者はみのりに「世界の終わりがもう一つ増えてしまった」と言わせているが、この世代の子供達の感情を、よくここまですくい取ってこられたものだ。「サマータイム」から12年、彼女はとうとう、ここまで来た。初めて主人公のセックスが描かれた事もありずっと見守ってきた読者としては感無量。小説新潮で連載が開始された時にリアルタイムで読み始めたので みのりや木島と同じ順序で互いの事を知ってゆく事ができ、とても幸せな読み方の出来た作品。2002/12/19

takaC

45
この物語を面白いと思える寛容な心を自分はどうやら持ち合わせていないようである。そろそろ10年後がやってくるので、書ききれなかったオールダーたちのエピソードやイメージを期待できるでしょうか?2011/10/31

ぶんこ

34
読んでいた本でした。 青春そのものだなぁ〜。 心のとげとげや寂しさ、親や姉妹、家族への距離感。 青春真っ盛りの頃を思い出させてくれました。 2014/05/15

すきま風

28
再々読。何だろうこのぎゅーっと締めつけられるような苦しさともどかしさは。小学生ほど子供でもない、中学生ほど突っ張ってもいない。だけど高校生は、大人じゃない微妙な年頃。木島とみのりの、お互いに強烈に惹かれあってるのに「好き」という言葉では単純に表せない関係が凄く好き。似鳥ちゃんが出てくるところから、ぐっと面白くなってくる。何度読んでもやっぱり好きだ。2013/05/12

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