内容説明
いじめ、不登校をはじめ、授業妨害、暴力行為など、学校現場をめぐる問題は、年々多くなり、しかも深刻化してきている。そうした状況をふまえて、平成7年、文部省(現・文部科学省)がスクールカウンセラー制度を発足させ、認定資格をもつ臨床心理士が派遣されるようになった。本書は、みずからのスクールカウンセラー体験とその指導体験に基づいて、臨床心理士によるスクールカウンセリングの理論と実際を様々な視点から語る。
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目次
第1章 スクールカウンセリングの理論
第2章 学校における教育相談活動の歴史と現状
第3章 スクールカウンセリングの特徴―スクールカウンセラーと御用聞き
第4章 学校になじめない子どもたち
第5章 親・保護者との連携
第6章 教師のメンタルヘルス
第7章 心にアプローチできる教師を育てる
第8章 管理職とスクールカウンセラー
第9章 スクールカウンセラーとして臨床心理士の今後の課題―まとめにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nacky
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「聞く技術」で著者に興味を持って、もう1冊読んでみた。内容は難しめかと思い、なかなか読み進める気が起きなかったが、開いてみたらサクサク読めた。初心者にもわかりやすい。
たらこ
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実際のカウンセリング場面よりも、「学校としてどう児童・生徒に関わっていくか」ということに、いかにカウンセラーが関わっていくか、のほうに興味を持った。たとえば、教師のメンタルヘルスや、教師を育てるということなど。カウンセラーの学校での立ち振る舞い方についても紙幅が割かれていたが、どの分野であれ、他職種と協力する必要のあるカウンセラーなら考えるべきことである。2011/09/14
ブルーローズ
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実際のカウンセリング事例だけでなく、考えておかなくてはならない社会的背景などにも言及されています。2009/06/07
ᚹγअәc0̸א
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学校批判厳しかりし90年代に、付属養護学校長を務めた筆者のご苦闘が偲ばれる記載満載で実に有難い。 ・コンプレックス下では退行が起こり、幼児的発想で責任所在を抽象化する(国、社会、皆)。子供が親に物を買ってほしい時に言う「皆持ってる」と同じである。 ・カウンセリングに関心を持つ教師の中には、非日常的感受性が強く、教師仲間から疎外されている人もかなり居る。 ・学校では、裏方さん(例:給食調理員)の方が、学級・生徒のありのままの状況を見知りしていることが多い。真相(例:いじめ問題)は裏側から視る方が良くわかる。