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内容説明
「わからない病」「治らない病」として差別的に扱われてきた「精神分裂病」という名称が「統合失調症」に変わった。心が閉ざされてゆく初期段階から、対人恐怖・迫害妄想の段階を通り、発病に至るまでの経緯を解明。心・身体・社会という統合的視点から病を捉えなおす。汎精神疾患論のアプローチから、精神病理を解体する。
目次
精神分裂病から統合失調症へ
1 精神疾患とはなにか?(精神の危機と自明性の喪失 狂と狂気 汎精神疾患論の提起)
2 関係失調としての統合失調症(「精神分裂病」概念のはらんできた矛盾 迫害妄想論の展開)
3 迫害妄想病の人間学的構築(迫害妄想型の三段階 対人/社会恐怖様段階 迫害的幻覚・妄想期 夢幻様状態)
「慢性化」の問題と「経過型」について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
10
以前は「精神分裂症」と言われていた。名前が変わったことは知っていたが、やはり私もこの病気をイメージでしか知らなかった。緊張や不安からの自律神経失調、不眠などから発症するこの病気は、決して特殊な人間だけがかかるものではなく、しかし、今は心理・社会的治療と薬物療法で治り得る病気になっているのだそうだ。日本人に多く見られるのが対人恐怖症。村社会の弊害?ところで、夏目漱石がヤバい。彼も自分の心の中にある病的な頑なさや、とてつもない孤独などを抱えたまま、世の中と折り合いをつけながら社会生活を送ってきたんだなあ。2018/05/30
ともすけ
8
統合失調症を「妄想」という症状から光を当てる。統合失調症を治らない病気ではなく人間学的に読み解くことを目指した本書は精神科医療にとって画期的であるだろう。とかくアメリカのDSMでその病因に対して根本的な解明が行われなかった統合失調症だが、妄想から始まる対人/社会恐怖様段階、迫害的幻覚・妄想期、夢幻様状態、と3段階に進行すると主張する著者の読み解きは説得力を持つ。現象学、実存哲学、実存主義にも深い素養があると思われる著者のまさに「人間学」的眼差しは統合失調症概念の変革を意図する野心的なものとなっている。2016/07/04
ステビア
6
新書で出す必要あったのかな?ひじょ〜に濃厚な哲学的人間学だ。ブントの島と近い人らしい!2014/03/06
うえ
5
「参考になるのは、哲学者サルトルの力作『想像力の問題』です。彼は心象の変容を錯覚から入眠時錯覚に至るまで精細に追跡し、そこから改めて想像力の問本質に迫ろうとしました。日本では島崎敏樹らが『異常心理学講座第10巻』でこの方向をさらに追求しています。彼らは幻覚について、正常人での孤立状況から始まり、感覚遮断・実験精神障害へと論を進めていく」「精神医学ではナルコレプシー研究を中心にこの幻覚の構造が究められ、一方ウィアム・ジェイムズの研究以降、この体験が宗教体験の原点にあり、人間存在にとって重要なものであること」2016/09/17
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
4
2002年刊。個人的にこの病気については特有の妄想と幻聴についてより深く知りたかったので本書は最適だった。患者の妄想を笑う奴に人権を語る資格は無い。 序章:精神分裂病から統合失調症へ。 精神分裂病の症状の一つが迫害妄想で、その症例と意味について。この迫害妄想を軸にして精神分裂病を脱構築する。 I.精神疾患とはなにか? 第一章:精神の危機と自明性の喪失。 精神の危機により自明性が喪失されるが、精神病患者はみなこれに苦しめられている。自明性の喪失は統合失調症の基礎症状。ただ「身体性のゆらぎ」論は疑問。→2024/06/21
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