文春文庫<br> 真珠夫人

個数:1
紙書籍版価格 ¥891
  • Kinoppy
  • Reader

文春文庫
真珠夫人

  • 著者名:菊池寛
  • 価格 ¥763(本体¥694)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167410049
  • NDC分類:913.6

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

信一郎は乗合自動車で事故にあい、瀕死の青年から腕時計を託される。返すべきひとは、死に際に口走った「瑠璃子」という女性。帰京後探し当てた瑠璃子は真珠のように美しく、孔雀のように微笑み、自分のサロンに集う男たちを弄ぶ妖婦だった。かつて父の名誉を守るため、没落しかけた家を救うため、将来を誓った恋人・直也と別れて、新興成金の荘田勝平の妻となった瑠璃子には、運命に翻弄された過酷な過去があり──。TVドラマ化され、話題を呼んだ大河ロマン小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蓮子

111
約600頁に及ぶ大作ですが、とても面白く読みました。類まれなる美貌と鋭い知性を武器に妖婦と化し、復讐のために男を翻弄する瑠璃子。これだけだと何だか酷い女性に思えますが、その内実はなかなか苦しく切ないものがあります。「男性本位の道徳に妾は一身を賭しても反抗してみたいと思っている」という瑠璃子の言葉は、本書が書かれた当時は新鮮な響きと大きな意味を持っていたように思えます。作中の文学議談も興味深い。ラストの瑠璃子と直也の邂逅は悲しくも美しく、最後まで操を立て通した彼女の強さと彼への愛の深さに心打たれました。2018/01/08

Willie the Wildcat

81
清廉さと狡猾さに垣間見る生き様と、時勢を反映した物心両面での格差。加えて、当時の男尊女卑の風潮。信一郎の心情描写が、いみじくもこれらの世相を暗喩。対峙する瑠璃子。方法論の妥当性の問題ではなく、世の中の矛盾への精一杯の問いかけ!心の支えは、胸に秘めた”一枚の写真”であり、これが表題の真珠の輝きである。一方、踏まえて現代の世相を見渡すと、上述の”矛盾”が解消されたのかは、甚だ疑問。正直者が馬鹿を見ることなく、努力が報われる世の中でありたいものだと感じる。2018/06/03

優希

80
昼のメロドラマのような雰囲気があります。潔い交際をしていた瑠璃子が借金と名誉のために成金の勝平の妻になるものの、やがて未亡人となってしまいます。そこからの悪女っぷりがたまらなく官能的でした。サロンに集まる男たちを弄び、悠然と微笑む姿は妖女のようですらありました。死にまで至らせた男までいるとは驚かされます。しかし、エロティックな作品でありながら、誰も性行為はおろかキスすらしていないというのが驚きです。作中「処女」という言葉が多く出てくるのは少し食傷気味でした。インテリ女の奔放さは世間を騒がせたことでしょう。2015/04/27

あつひめ

79
これ、ドラマ観ていました。この作品が昼ドラで世の女性の心を惹き付け、また、新聞で毎日待ち焦がれられたのもわかる気がする。目が離せない展開で。愛しい人と引き裂かれ僅か2年という短い期間のはずが、とても長い時間のような気がした。自分がされた仕打ちをいつの間にか人にしてしまっていた。人の心って鬼にも蛇にもなったとき、本当に心の奥底に大事にしていた物を忘れかけてしまうのだろうか。濃厚な人生の中で、何をしてもどんなに矛盾する言動をしても乙女の心は真っ白な肌襦袢に込められていたのか。ついついつい引き込まれてしまった。2014/08/24

佐島楓

70
この時代、女性がどういう目で見られていたのか、よく理解できた。この作品が、通俗小説と呼ばれている理由も。余談だけれど、菊池寛は樋口一葉を高く評価していたことが作中でわかって、面白かった。通俗小説を批判して、おそらく自分の作品への皮肉も絡めている記述もあったのが、人気作家らしく余裕がある一面のように思えた。2016/10/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/503993

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。