内容説明
周りが何をしようと無反応な七歳の少女ヴィーナス。決して話そうとしなかった彼女が、トリイの愛を受け次第に心を開きだした矢先身も凍る事件が! ただ一人、面倒をみてくれた知的障害のある姉からも引き離された少女が、真の安らぎを得るまでを描く感動作。/掲出の書影は底本のものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rin
59
【図書館】話さず反応も示さないヴィーナス。多動で攻撃的な男の子たち、それが今度のクラス。人種や障害への差別に児童虐待。教育方針の違い、福祉サービスの連携の難しさ。深刻な問題が積み重なる中でも、ユーモアと明るさを絶さないトリイ。子供たちにも相手を思いやる、クラスを愛する気持ちが芽生えている。相手を救いたいと思っても自分や周囲が考える相手の幸せと、本人の描いている幸せは違う。回り道をしながら迷って後悔しながも、諦めずにぶつかって。全力で子どもを抱き締める、あなたは特別だと伝えるトリイ。刺激を受けれる本です。2016/07/28
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
教師トリィの辛抱強さにいつもの通り脱帽。アメリカの貧困家庭の凄まじい不幸の中で育った子どもがここまで持ち直す事ができるのか。すごい。2022/03/02
ちょこまーぶる
8
最初は読みづらかったけど、どんどん引き込まれてしまいました。先生二人の価値観の葛藤が痛いほど理解できてしまった。そして、改めて人種問題が教育に深く入り込んでいる現実を理解できた思いです。極めつけはクラス最後の日のヴィーナスの書いた想いの一言には号泣してしまった。2012/10/21
しろはは
4
久し振りにトリイ・ヘイデンの本を読みました。子供たちの置かれている環境や家族を含む周りの人々にどう扱われ、傷つけられてきたかということを読むと苦しくなってくるのですが、温かい愛情を持った人に接し、適切な療育を受けて、子供たちがどんどん変わっていく様子を読むとほっとします。 この人は、自分が失敗したことも人間関係でうまくいかなかったことも正直に書く人なので、そういうところも好きです。2013/02/18
よぽ
3
同僚との軋轢、どこにでもあるのですね。 何はともあれ、最後のヴィーナスのメッセージに救われた思い。2019/02/20