内容説明
倒幕、大政奉還、新体制というシナリオまで描出しながら、歴史的転換点に立ち会うことなく、わずか33歳で刺客の手に倒れた坂本龍馬。その像はさまざまに伝えられる。民権派やデモクラシーの象徴として、海軍の先駆者として……。しかしはたしてそれらは実像であろうか。御国と皇国、徳川家と天朝など、新旧の価値が交錯する時代の精神を丹念に読み解き、龍馬像の真実に迫る。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
7
坂本龍馬の実像を龍馬が生きた時代状況に即しながら闡明にしていく評伝。龍馬は、”平和的革命主義者”若しくは”民主主義の先駆者”の如く語られることが多いが、本書ではそのような見方を謬見として切り捨てている。志士の中でも、特に機会主義的かつ実利的な側面が種々の史実から浮かび上がってくる。大政奉還が、倒幕の第一歩であったという見方は、近年幾つかの研究で立証されつつある。2016/10/05
富士さん
2
以前とりあえず龍馬ものを、くらいで読んだのですが拾い物でした。本居宣長から書き起こして国学の進展、陪臣関係を変革する日本意識の発生、それが土佐の地に根付いて龍馬が生まれていく、重層的な記述です。個人的には、龍馬が海援隊によって、志士であっても自分で食うように図ったのではないかという見方が興味深く、著者の言う維新の志士や民権運動家に止まらず、日本の理想主義の無為徒食癖はその後の昭和維新の軍人や戦後の新左翼にまで引き継がれて、理想を語ることを堅実な日常から遊離させているように思われて、鋭い指摘だと思いました。2016/11/12
芸術家くーまん843
1
倒幕、大政奉還、新体制というシナリオまで描出しながら、歴史的転換点に立ち会うことなく、わずか33歳で刺客の手に倒れた坂本龍馬。その像はさまざまに伝えられる。民権派やデモクラシーの象徴として、海軍の先駆者として……。しかしはたしてそれらは実像であろうか。御国と皇国、徳川家と天朝など、新旧の価値が交錯する時代の精神を丹念に読み解き、龍馬像の真実に迫る。抜粋◆坂本龍馬といえば、人々にはかなり強い一定のイメージが存在する。明るく、楽天的でらいらくな人物であり、気取りがない。粗野に見えるところもあるが、陰険さが皆無2013/01/24
denz
1
良書。山内容堂について詳しく叙述しているのが、異色で便利。大政奉還路線を単なる「平和革命」路線ではなく、倒幕路線を基本としつつ当時の情勢によって皆が必要としたというところに著者の着眼点のうまさがある。2011/02/12
きはちろう
0
薩長同盟に白石正一郎という政商が大きな役割を果たしていたという話が面白かった。政治と経済は切り離しては語れない。2016/07/21
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