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内容説明
キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする――。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。
目次
第1章 スペイン・イスラムの誕生
第2章 国土回復運動
第3章 レパント海戦
第4章 捕虜となったセルバンテス
第5章 スペイン無敵艦隊
終章 現代のスペイン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
210
キリスト教徒、ユダヤ人、ムスリムが隣り合う歴史風土。ウマイヤ朝に続き、カスティーリャも初めは三宗教の共存を掲げたが、スペインは排他的なカトリック国になっていく。異端審問、グラナダ侵攻や(殆ど記述がなかったけど)新大陸での暴虐、内戦やテロ…と、〝寛容〟は力関係の上にあるとしか思えない(歴史の裏側にはそれを守った人もいると信じたい)。初めの方は時系列がぐちゃぐちゃして判りづらかった。レパント海戦辺りから浸れて、セルバンテスの苦難に満ちた帰郷や兵糧調達の話は引き込まれた。こんな男がいると想像するだけでも愉しい。2024/12/18
アキ
85
スペインの歴史の物語。BC3世紀ローマ帝国から、西ゴート王国、711年スペイン・イスラムの誕生をまずイスラム軍の兵士の目線で物語風に語られる。そしてレコンキスタにより1492年グラナダが陥落し、イスラムは滅亡。同年コロンブスが航海に出発する。1571年レパントの海戦では、後に「ドン・キホーテ」の作者になるセルバステンの目線で、ガレー船での戦闘の様子やアルジェでトルコの捕虜となるエピソードからイギリスとの無敵艦隊の物資の調達に至るまで。現代の章では詩人ロルカの無念の死から歴史を語る。物語調なので読みやすい。2021/02/17
molysk
66
「太陽の没することなき帝国」スペインの隆盛と没落。八世紀、イスラム教徒はイベリア半島の大部分をその支配下に置くが、キリスト教徒はわずかに残された土地からの反攻を重ねて、十五世紀には国土回復運動を完了する。十六世紀には、イスラム世界の雄、オスマントルコをレパントの海戦で破り、カトリック世界の盟主となる。だが、その繁栄は長くは続かなかった。新教徒の反乱に加担するイギリスとの決戦に臨むも、無敵艦隊は壊滅。帝国の運命は斜陽へと向かっていく。スペイン文学者である筆者が、セルバンテスらを横糸にスペインの歴史を紡ぐ。2022/12/18
skunk_c
65
著者自身が端から通史ではなく、興味深いスペインにとって大きな転換になる事件を物語にするという、このシリーズらしいスタイルを貫いているため、極めて面白い。さらに専門のセルバンテスをある種の「語り部」のようにしているが、彼はまさにスペインの盛衰のただ中にいたことを実感した。レパント海戦、無敵艦隊とイギリスの戦いについて、これだけ詳しく書かれたものも珍しく、この「バランスの悪さ」が魅力だ。欲を言えば終章の現代編、フランコ時代の内戦やバスクのテロについて書いてあるが、ここにも個性的な人物が出せたように思うが。2020/08/21
i-miya
48
2013.06.26(初著者、初読)岩根圀和著。 (カバー) キリスト教国の雄、スペイン。 セスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻。 ここからスタートするスペイン。 8C以来、イベリア半島を支配するイスラム勢力を駆逐する。 1492、レコンキスタ、完了。 余勢を駆り、海外へ出るスペイン。 広大な領土を得るスペイン。 「太陽の没することのない帝国」の名をほしいままにするスペイン。 国土回復戦争、オスマン・トルコとの死闘。 宿敵イギリスとの対決と敗北。 斜陽の道。 2013/06/27
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