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内容説明
人は、どんなときに「あ、わかった」「わけがわからない」「腑に落ちた!」などと感じるのだろうか。また「わかった」途端に快感が生じたりする。そのとき、脳ではなにが起こっているのか―脳の高次機能障害の臨床医である著者が、自身の経験(心像・知識・記憶)を総動員して、ヒトの認識のメカニズムを解き明かす。
目次
第1章 「わかる」ための素材
第2章 「わかる」ための手がかり―記号
第3章 「わかる」ための土台―記憶
第4章 「わかる」にもいろいろある
第5章 どんな時に「わかった」と思うのか
第6章 「わかる」ためにはなにが必要か
終章 より大きく深く「わかる」ために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
107
わかる。本を読んだあと。勉強したあとそんなタイミングでよく聞きますよね。わかるってふと思うとどういうことなのか説明しづらい部分があると思う。この本はそんなわかるをどうやってわかるかを解説した本になっている。この本で面白いと思ったところが何点かある。その中でも知識の網の目は面白いと思う。知識1つ1つは点のような存在である。だがその知識も繋いでいくと網の目のようになる。そうなることによって取りこぼしを減らしていく。経験や知識のセーフティーネットみたいだなって感じた。認知科学に興味があればぜひ読んでほしい!2022/07/11
Roko
37
「わかる」ということをどんなに理論的に考えていっても、すべてがわかるということはないんです。でも、だからいいのかもしれません。勝手にわかったつもりになって、ただの勘違いのままだったりすることもあるし。本当にわかることより、想像力で補うことの方が楽しいこともたくさんあるのですから。2022/11/21
井月 奎(いづき けい)
32
「わかる」ことを重層的かつ多方面から教える良書です。たとえば一つ。ある現象を「わかる」ことに自分の「心象」に重きをおいても理解ではあるが共通認識としてはこれはよろしくないのです。時間の経過を「わかる」ための考えに天動説と地動説がありますが、私が東海林さだおの「まるかじりシリーズ」を笑いつつ読み、いつの間にか夕方になったとしましょう。それはお日様が動く天動説でまったく困りません。しかし経度を大きくこえる飛行機の運航に天動説を用いることはまったくもっていかんのです。本書は後半、さらに深遠な思考に進みます。2016/05/07
KAKAPO
30
思考の単位は、記憶心像である。記憶心像の整理には、言葉が重要な働きをしている。言葉を理解するには、社会共通の言葉の意味を知っておく必要がある。意味の記憶は、何度も繰り返し経験することで作り上げられていく。繰り返すことで同じ神経回路が活動・興奮すると、神経細胞の繋がりは強固になり忘れ難くなる。知能とは、常に変化し続ける状況に合わせ、最も適切な行動を選ぶ能力である。最適な行動を起こすには、複数のプランが必要である。前頭前野は、複数の行動プランの中から適切なプランを選択し、それを実行するという役割を担っている。2013/03/16
カッパ
25
【148】355わかるとはどういうこと?知りたかった。わかるように伝えることを大切にしていると言いながらわかるがわかってない。心に残ったのはわからないところを見つけていくことでわかるようになるということ。そりゃそうである。人は知識や記憶がないとわからない。それを作っていく必要性を伝えながら感じることや暗記をしていかなきゃわからないだろうな。2017/04/22