内容説明
悪名高いジゴロの死体はテラスの椅子に腰掛けていた。黒い帽子を被り、舞台衣裳めいた黒のマントを肩から掛け、ステッキを手に・・・・・・あとはまったくの裸で!大西洋に突き出した岬に建つ大富豪邸で起きた殺人事件。エラリイを悩ませる謎はただひとつ──なぜ犯人は被害者の服を脱がせたのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
38
図書館から借りた本なのですが一ページがまるまる、破られ、紙が破れる程のひっかき瑕がありました・・・・。本への所業に憤りながらも読み進めましたが心配なし。寧ろ、「どうして分からないのかな?」と首を捻ることしきりでした。「家政婦は見た」ではなく、「ティラーは見た」ですねw特に知らないと言っときながら露見したらわっと泣きながら「あなたも悪いのよ」と弁明する女は同性(?)から見てもいけ好かないのでステラにはうんざり。そう考えれば、ステラ馬鹿親子(ウォルターは除く)に対し、犯人はそうする必要はなかったんじゃ・・・・2013/07/21
yucchi
24
【図書館本】『チャイナ・オレンジ〜』も手元にあるのに間違えてこっちを先に読んじゃった(;^ω^) ということで国名シリーズ第9弾。犯人も被害者が裸で死んでた理由もぼんやり考えたそのままだったので、解決編もあまり驚きがなかったのが残念。ヒロイン?に「クイーンさん、あなたご存じ?眼鏡をお取りになると、とてもハンサムよ」と言われたエラリーが「え?あ、知っていますとも。」といけしゃあしゃあと応えたのが一番驚いたわ(笑) 軽く引いたよ...Σ(゚Д゚;)2014/09/23
ちどり
21
エラリーは休息のため老判事と別荘へ向かう。そこでスペイン岬の持ち主の娘ローザが縛られ倒れているのを発見し 事情を聴くと、大男が叔父を誘拐した、しかも大男の本当の狙いは 邸に滞在中のジョン・マーコだが 頭の悪い大男は背格好が似ている叔父を間違えて誘拐する。この事実を知らせに邸に向かうと、そのジョンは海辺のテラスで殺されていた、しかも生まれたままの姿で…今作でイイ味を出してたのは、従者のティラーですね 作者様が生きてたら、間違いなくティラーをレギュラーに加えてほしいとファンレターを書いてましたねぇ,,,,2014/09/10
Tetchy
10
スペイン岬に立つ屋敷を舞台にした犯行を扱いながら、屋敷の見取り図が一切ない。つまり本書の謎とは屋敷の住人の配置とは関係なく、またそれぞれの部屋に特殊な仕掛けがあるわけでもない、トリックではなくロジックに重心が置かれた作品だと云える。興味深かったのは今回エラリイは犯人を明かした後、後悔の念を示すことだ。泰然自若とする犯人の誠実さにクイーンが初めて見せた苦悩。作品を重ねるにつれて単なる頭脳ゲーム、ロジックパズルゲームとしての推理小説から人を裁く事に対する意味への移り変わりの萌芽がここに見られる。2010/04/02
sosking
6
全裸へのこだわりが事件を解決に導く。久しぶりに古典物を読んだが、クイーンは正統派だね。ただ、事件が発覚した時点で、犯人だけは解ちゃった。2015/08/02