内容説明
本を仲立ちにして、くまと一人の女性が出会う。心を込めて物語を読んでやる女性と、全身全霊で物語を感じ取ろうとするくま。二人の間に生まれた切ないような友情を描いた絵本。
著者等紹介
ハシュレイ,デニス[ハシュレイ,デニス][Haseley,Dennis]
1972年オハイオ州、クリーブランド生まれ。同州のオーバーリンカレッジを卒業後、ニューヨーク大学でソーシャル・ワークの修士号を取得。他の主な作品に、Kite Flier(デイヴィッド・ウィーズナー:絵)等がある。現在、ニューヨーク州ブルックリンに家族とともに在住
ラマルシェ,ジム[ラマルシェ,ジム][LaMarche,Jim]
ウィスコンシン州の自然に恵まれた環境で育つ。広告用のイラストの仕事をしながら、1992年にThe Rainbabies(ローラ・K・メルメッド:文)で絵本のイラストレーターとしてデビュー。現在は、カリフォルニア州、サンタクルーズ在住
今江祥智[イマエヨシトモ]
大阪市生まれ。童話作家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tokotoko
38
この本は、まるで行ったことがあるかのような、懐かしい色の森の中にすっぽり入り込める1冊です。登場するのは、1人の女の人とくま、そして、本です。さて、深い森の奥でどんな時間が流れたでしょうか?みなさんも私も大好きな「本」が、とってもいい役目をしてくれてます。そしてそんな本のそばでは、別の物語ができあがっていきます。「心が通じる」って、素敵であたたかいけど、ちょっぴり切ないなぁって教えてくれる物語です。2014/11/24
小夜風
18
【図書館】本に興味津々のくまさん。そんなくまさんに本を読んであげる女の人。冬が来て女の人が森を離れる時、女の人はくまさんにたくさんの本を残していってくれます。女の人の声を思い出しながら本の山に埋もれるくまさんの気持ちが、とても切なくて愛おしいです。優しい優しい絵本でした♪2015/04/28
遠い日
17
短篇小説のような味わいの文章がすてき。文字と本というものに興味を抱いたクマの密やかな熱意。徐々に抑えきれなくなってしまうその興味を、柔らかく掬いとった女の人の優しさ。本を介してひと秋を過ごす一人と一匹。森に注ぐ金色の光の美しさ。女の人の声はきっと艶のあるアルト。残された本と共に冬を抱くクマは、思い出の幸せに満たされた表情をしている。2015/12/07
ムフィー
16
本を通して女性とクマが心を通い合わせる温かなお話。温もりを感じる1冊なので秋冬に読みたい。京都の「小さな絵本美術館響き館」にて、静かな大人の絵本読書。2018/01/28
マツユキ
15
手紙を拾った熊は、文字を知らない。ある年の夏、熊は森の空き地で本をよむ女性を見つけ…。森のゆったりとした時間と、熊と女性の交流が微笑ましい。文字の有り難さと、伝えたい気持ちの温かに感動しました。熊の話題が多いので、どきっとしましたが、素敵な絵本でした。2023/10/14