内容説明
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
作家たちの知られざる素顔を齋藤なずなが独自の感性で描き切った傑作短編集。岡本かの子の奔放な生とそれを支えた夫・一平の並外れた愛情が衝撃的な「堕天女」「聖家族」、定説に挑んで宮沢賢治の恋の真相に迫る「恋文」、あまりに短かった天才・樋口一葉の生涯を綴る「門」、晩年の太宰治の痛ましい心象風景を描いた「傷にしてナイフ」など9話を収録。作者自身の言葉と中野翠のエッセイを加えた「齋藤日本文藝史」の決定版!!
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
48
上巻に負けず劣らずの素晴らしい傑作揃い。息を詰めて読みました。岡本かの子がすごいインパクトだ。力作です。宮沢賢治のプラトニックな男同士の恋もいい。何故だか泣けて仕方なかったのが「葛の花」武者小路実篤と妻・房子の話。胸がえぐられます。樋口一葉のジットリ冷静沈着な感じも切ない。太宰が主人公の「傷にしてナイフ」(どうですかこのタイトル最高すぎません?)はサッちゃんの献身がつらい…太宰、太宰よー!と叫びたくなった。北原白秋のクズぶりには怒りが。岡倉天心の話は壮大だった。心底惚れ惚れする漫画ばかりだ。2016/08/06
sasha
8
岡本一平・かの子・太郎の芸術家一家を描いた冒頭の2章「落天女」「聖家族」だけでお腹いっぱいになるほど内容が濃い。文人たちと異性との恋愛がテーマの本書だが宮沢賢治だけは作者も苦労したようで、親友・保坂嘉内との同性同士の友情を描いている。『銀河鉄道の夜』のカンパネラのモデルとも言われる保坂氏。ならば、賢治はジョバンニか。島崎藤村の作品は好きなんだけど、とことん人でなしなんだよな。2019/06/30
Hiroki
3
豊島区立図書館 絵や音楽が文学と決定的に違うのは、言い訳や誤魔化しをやると、やってる傍から直ぐにばれるという事だろう。なずなさんの人柄や粘る性格が絵から滲み出て、その長所は恋や愛や性の現実に真正面から向き合う特色を持っている。ヒロインの眼は絵師上村一夫に通じるものがあって、控えめながらも強かに自己主張する。情報機器の悪進化が表現の説得力をボロボロに劣化させ、虚構であればまだ許せるが法螺話に堕落せしめたのには呆れ果てる。そんな状況に竿挿すなずなさんは灯台のような人だ。2024/04/27
山吹
0
岡本一平、岡本かの子、宮沢賢治、武者小路実篤、樋口一葉、太宰治、島崎藤村、北原白秋、岡倉天心。岡本家の狂い感が凄い。2014/12/21
kentaro mori
0
特に宮沢賢治の回には驚いた。2018/04/25