内容説明
時は戦国――のちに「剣聖」と仰がれる上泉伊勢守は関東制覇の要衝・上州は大胡の城主。上杉謙信・武田信玄・北条氏康の野望に巻き込まれ、戦場から戦場へ体を休める暇もない。その武勇を「上州の一本槍」と天下に轟かせるも、一介の剣士として剣の道に没入できる平穏な日々の訪れを秘かに願う伊勢守だった。折しも国盗り合戦は佳境を迎え、上州の勢力図にも大きな変化が……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
52
戦国ものはやはり面白いですね。後に「剣聖」と称される伊勢守。様々な武将の野望に巻き込まれます。その武勇は「上州の一本槍」と称されるのですが、果たして本人の心情はいかなるものだったでしょうか。剣に没頭する時間がないのですから。伊勢守は平穏を求めていたのですね。しかし、時代は大きな変化へと導かれるのが皮肉なところだと思いました。下巻も読みます。2023/03/16
優希
39
後に「剣聖」と呼ばれる上泉伊勢守の物語。謙信・信玄・氏康の野望に巻き込まれていくのが戦国ならではだと思いました。その武勇伝は「上州の一本槍」として世間に轟くも、果たして本人はどのように感じていたのかが興味深いところです。剣に没頭する平穏な日々を望んでいたことでしょう。国取り合戦も佳境を迎え、時代は大きな変化を迎えようとしている中でどう動くのか。下巻も読みます。2025/03/23
Bibliobibuli
25
「業政駈ける」で火坂先生が捉えた上泉伊勢守も、本書で池波先生が捉えた上泉伊勢守のどちらもかっこいいですね!前半部分である本書(上巻)は、戦上手としての伊勢守を楽しませてもらいました。後半(下巻)はどうなるのか、、、楽しみです。2017/12/13
しーふぉ
18
後に、柳生石舟斎の師となる「剣聖」上泉伊勢守が上州の領主だった頃の話し。北條、武田、上杉の思惑が入り混じる中、戦場でも無双。下巻では柳生の里など漂泊の旅に出るのかな?2021/07/03
スー
18
48剣聖と呼ばれた上泉信綱は戦国武将で城主なので槍をふるい家臣を率い北条家や武田家と戦う。剣を極めたいという想いを持ちながら城主としての責任と長野業政への忠誠と弟子である業政の娘への淡い恋心で悩む信綱はなかなか新鮮でした。謙信の度肝を抜く信綱の単騎駆けや駆け引きと無手で刀を持つ相手との戦いも楽しめた、長野業政は老いて余命少なく武田信玄の調略で頼みにしていた娘婿の小幡信貞が武田家についてしまう、しかし業政には何か策略があるようだ、下巻では国峰城はどうなるのか?楽しみです。2021/03/31