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内容説明
定年後や第二の人生の過ごし方など、人生の後半生の生き方への関心が高まっている。ところで現代の日本人にとって、後半生とは単に人生八十年の折り返し地点である四十歳以降ではない。むしろ人生の転機を迎えたその時からだというのが著者の見解である。一度きりの人生を悔いなく送るために、我々は後半生をいかに生きるべきか。中国の英傑二十四人それぞれの後半生の考察を通し、そのヒントを提示しようというのが本書の試みだ。例えばお家騒動で国を追われ、十九年に及ぶ亡命生活の後、転機を逃さず六十二歳で見事王位に就いた重耳という人物。現代の感覚でいえば、八十過ぎの年齢にあたるそうだ。重耳の生涯を思えば、四十、五十など洟垂れ小僧であり、定年だリストラだと嘆くのはやめ、勝負はこれからだと新たな目標を持って人生に挑戦してほしいとエールを送る。他にも劉邦や司馬遷など、人生を諦めなかった男たちに読者も勇気づけられることだろう。
目次
重耳―君子は器を身に蔵し、時を待ちて動く<br/>孔子―老いのまさに至らんとするを知らず<br/>范蠡―大名の下には以て久しく居り難し<br/>蘇秦―ああ、貧窮なれば父母も子とせず<br/>張儀―吾が舌を視よ、なお在りや不や<br/>呂不韋―奇貨、居くべし<br/>劉邦―これ天命にあらずや。命はすなわち天に在り<br/>張良―赤松子に従いて遊ばんと欲す<br/>陳平―あに始めを善くし終わりを善くするものにあらずや<br/>公孫弘―時に遭うにあらざれば、よくこの位を致さんか〔ほか〕