中公新書<br> 政治哲学講義―悪さ加減をどう選ぶか

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中公新書
政治哲学講義―悪さ加減をどう選ぶか

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028501
  • NDC分類 311.1
  • Cコード C1231

出版社内容情報

正しさとは何かを探究してきた政治哲学。向き合う現実の世界は進むも退くも地獄、「よりマシな悪」を選んでなんぼ0 0 0 の側面をもつ。命の重さに違いはあるのか。汚い手段は許されるか。大義のために家族や友情を犠牲にできるか。本書はサンデルの正義論やトロッコ問題のような思考実験に加え、小説や戯曲の名場面を道しるべに、「正しさ」ではなく「悪さ」というネガから政治哲学へいざなう。混迷の時代に灯火をともす一書。

内容説明

正しさとは何かを探究してきた政治哲学。向き合う現実の世界は進むも退くも地獄、「よりマシな悪」を選んでなんぼの側面をもつ。命の重さに違いはあるのか。汚い手段は許されるか。大義のために家族や友情を犠牲にできるか。本書はサンデルの正義論やトロッコ問題のような思考実験に加え、小説や戯曲の名場面を道しるべに、「正しさ」ではなく「悪さ」というネガから政治哲学へいざなう。混迷の時代に灯火をともす一書。

目次

第1章 「悪さ加減の選択」―ビリー・バッドの運命
第2章 国家と個人―アンティゴネーとクレオーンの対立
第3章 多数と少数―邸宅の火事でフェヌロンを救う理由
第4章 無危害と善行―ハイジャック機を違法に撃墜する
第5章 目的と手段―サルトルと「汚れた手」の問題
第6章 自国と世界―ジェリビー夫人の望遠鏡的博愛
第7章 戦争と犠牲―ローン・サバイバーの葛藤
第8章 選択と責任―カミュが描く「正義の人びと」
終章 政治哲学の行方

著者等紹介

松元雅和[マツモトマサカズ]
1978年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。島根大学、関西大学を経て、2018年より日本大学法学部准教授、20年同教授。専攻は、政治哲学・政治理論。単著『平和主義とは何か―政治哲学で考える戦争と平和』(中公新書、2013年。第35回石橋湛山賞)など。国内外の学術誌に掲載されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

104
正義論に残された問いを、文芸作品を題材にして考察するユニークな一冊。トロッコ問題のような様々な思考実験が提示され、政治的な意思決定を正当化する論理が考察される。近親者・自国民・多数を優先できるかとか、善い目的のためには加害が許されるかなどの問題が、「よりマシな悪」や「いつ手を汚すか」という切り口で議論される。そこにあるのは、倫理や道徳という理念ではなく、政治的な選択というのは「悪さ加減の選択」だという現実である。政治とは、正に、ウェーバーの言う「良心の倫理ではなく責任の倫理」ということなのかもしれない。2025/06/22

ぴー

61
正しさではなくマシな悪というインパクトに興味を持ち購読。悪さ加減をどう選ぶのかをベースに、文学などの個々の事例を考えていくのが本書の特徴。悪さ加減を判断する際に、様々な哲学者が登場する。哲学に無知な自分は、理解するのがやや難解であった。ただ、現実にありそうな葛藤を自分にはなかった視点・理論を知ることができた。ベンサムとカントの考えが個人的に面白かった。本書の終盤の「汚れた手」では、市民は知らなかったでは済まされないと書かれた箇所に筆者のメッセージを感じる。理解不足だったので、再チャレンジしたいです。2025/06/24

逆丸カツハ

38
非常に面白かった。どうしても割り切れない選択をしなければならないことがある。無謬の選択を求めるのもまた一つの誤りであり、やましさであり、ここに挙げられているほどではないにせよ、正しい選択が出来ない状況に追い込まれることを想定しないというのはナイーブなのかもしれない。聖人なんかにはなれっこないが、それでも「マシな選択」を求める努力はしなければならないのだと思う。2025/04/30

みつ

18
「政治哲学」という言葉に馴染みはなかったが、「より良く、正しい」ことを目指す倫理学に対し複数の悪のあいだでマシなほうを選ぶというのが政治哲学、ということのよう。メルヴィル、ソポクレス、ディケンズ、カミュらの文芸作品も用いながら、いくつかの選択肢を突きつけ議論は展開する。以下は後日メモを参照するための見出しの一部。「トロリー問題」を取り上げた章における「消極的義務と積極的義務」、「優先テーゼ」、「手段原理」。「汚れた手」問題。「偏向テーゼと不偏テーゼ」「優先テーゼ」と二種類の義務の組み合わせから言えること。2025/06/28

zunzun

9
政治の本というか倫理学の本に思えた。著者がいうようにこの本は「マシなものを考える」という政治哲学としては特殊なものである。私はジレンマや善悪正義の是非といった問題について非常に興味があるので、この本から非常に多くのことを学べた。自分もnoteやツイッターなどで「マシなほうを選ぶ」と言いがちなので本書の主題には心をひかれた。政治家であれ大企業の社長であれ一般人であれ、どんな人も人生において進退両難にであうはずである。ここにかいてある義務論、功利主義、徳倫理学を代表とする思考を頭の片隅においておきたいものだ。2025/05/05

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