内容説明
兄の急死で、浄瑠璃語りになる夢を捨て、家業の紙問屋・相模屋を継いだ吉三郎。家のために娶った妻おりくは心を開かず、不貞さえはたらいている様子。唯一の救いは、雨宿りが縁で親しくなった門付けの女太夫、お糸だった……。やがて吉三郎は相模屋の恐るべき秘密に気づく――。三味線の爪弾きが聞こえてきそうなしっとりした江戸情緒と謎解きの醍醐味。傑作時代ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃんみー
9
過去本。小杉健治さんのを読んでて思い出して登録。時代劇っぽくあるが、さすがは小杉さん。江戸時代の法廷ミステリー(だった記憶があります)
山内正
3
死んだ兄の子が店を継ぐまで名ばかりの女房にと 吉三郎は我慢ならない妻おりくは 情夫が死ぬと素知らぬ顔で店に出る 本屋の内儀お孝と娘の縁談話を 大和屋の藤吉は悪い噂が有るらしく 悪い女と出歩く藤吉に声を掛ける 縁談潰したっていいんだよ別に 本屋に物乞いが縁起もんで一声鳴かせろと立つ、奇声を発し懐から細竹を娘お絹に出し きっといい事が有りますと 物乞いは行方知れずの親初次郎だった 藤吉はわざと断る様にしてると 急いでくれ籠屋間に合わせてくれ お孝の店に!2021/04/08
山内正
2
橋で人が騒ぐ土左衛門だと 新吉はお光さんがお糸に別れるよう 言ったんです 言葉が身に染みた 大野屋殺しも女房おりくがと思う あっしの知ってる人と重なってと おりくが母の形見の櫛がと探す 知合いが頼まれてた櫛は下谷で見つからなかったと 差替えたのだと その下谷で屑拾いが殺されたと 拾ったのかもと話す 岡場所の女から買戻した櫛は 意外と新しい 形見には見えない 女房に見せると汚らわしいと 店を勝手に出たのを追う 女房が企んだ事だ立ち話の女がこちらを向いたお糸だ 胸に飛び込んできた間違いない2021/08/15
FK
0
ミステリータッチで、寛政の改革の後の頃の話。非人のことも出てくる。理不尽なことがいっぱいある世の中・人生で、少なくない人たちが苦悩する。 そんな中での生き方の一つを描く。「市井もの」というカテゴリーに入る、と解説に書いてあった。 2006/09/10
犀門
0
#004★★☆☆☆小杉健治なのに残念。2014/01/16