河出文庫<br> 幻想の画廊から

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河出文庫
幻想の画廊から

  • 著者名:澁澤龍彦【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 河出書房新社(2012/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784309406459

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内容説明

「幻想的な美術や芸術作品に惹かれる」生来の資質から渉猟しはじめられた膨大な「ヨーロッパの幻想画家の画集」や「悪魔学や錬金術やエロティシズムに関するテキストならびに研究書」のエッセンスを自由自在に組み合せ、澁澤龍彦自身の強い“好み”から見事に統一を与えられた伝説の美術論集。「マニエリスムからシュルレアリスムへ」という革命は本書から始まった。

目次

空間恐怖と魔術―スワンベルクとブロオネル
女の王国―デルヴォーとベルメエル
イメージの解剖学―ふたたびベルメエル
卵・仮面・スフィンクス―レオノール・フィニーの世界
夢みる少女―バルテュスの場合
混沌から生成へ―タンギーの世界
マグリットの冷たい夢―終末の青空
神の香具師ゾンネンシュターン―月の精の画家
サルバドール・ダリの両極性―堅いものと軟らかいもの
光り輝くルネサンスの幻影―ダリ展を見て
『百頭の女』と『スナーク狩り』―マックス・エルンスト
ピカビアと機械崇拝―あるダダイスト
存在し得ない空間―M・C・エッシャー
ボマルツォの「聖なる森」
崩壊の画家モンス・デシデリオ
だまし絵・ひずみ絵―ホルバインその他
メタモルフォシス―アルチンボンドを中心に
一角獣と貴婦人の物語
北欧の詩と夢―ベックリンとクリンガー
密封された神話の宇宙―ギュスターヴ・モロオ展を見て
幻想の城―ルドヴィヒ2世と郵便屋シュヴァル
人形愛―あるいはデカルト・コンプレックス
玩具考―古き魔術の理想
仮面のファンタジア

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

215
ベルメールの人形も好きだけれど、何といってもスワンベルクの『グンニ、わが心の庭にただ一人いる人』が好きだ。グンニは画家の奥さんらしいが少女のように見える。ざらざらした植物のような手の先端に昆虫のかぎ爪。後から左右に広がるハイヒールを履いたすべらかな足。きれいな肌をした手。顔は真横を向き、口にラッパ状の花を咥えている。顔の幅と同じくらい横長の目は恍惚として幻でも見ているようだ。著者と同じく私もシュルレアリストの芸術より、片目の絵ばかり描いたブロオネルや、分裂病を患ったルイス・ウェインの絵に強く心を引かれる。2020/08/04

たーぼー

68
夢想の木陰の中に眠る妖しげな画廊。その中を澁澤を案内人として静かに歩いてみた。彼の嗜好には執着的な倒錯性があることを十分予測できたから、美術的審美眼と官能主義者らに抗弁することを持ち得ない僕は、澁澤自身が受けた衝動が壁に掛けられた作品群を凝視し、彼の誘いの言葉にただ耳を傾ければよいのだ。でも、どこかシュールレアリスムの『既視感』というものは自分の中に確かにあって、トラウマの如く己を打ちのめすのは何故だろう?結局はその記憶の弱さと混沌によって遠くへ突き放され、いつの間にか画廊の出口に取り残されるわけだが2017/05/16

コットン

50
幻想的絵画を澁澤流に紹介。バルテュスとエルンストの箇所が面白い!「バルテュスはピエロ・デラ・フランチェスカとクールベに心を惹かれた。カフカの世界に通じ…ある生のもの悲しい一面を代表しているようにさえ感じる。」またエルンストの『百頭女』は「どのページをひらいても、わたしたちのノスタルジアに強く訴える、奇妙に腐蝕的な暗黒の詩情を発散しているのである。」等、印象的。2012/11/24

双海(ふたみ)

22
たしかに現代では、一角獣は北極海に棲むイルカに似たウニコールであることが判明してしまいましたが、純潔と無垢を愛するこの架空の獣の神秘な魅力は私を惹きつけてやみません。処女の魅力にふらふらと迷い、処女に裏切られ、猟師たちの奸計に落ちる一角獣・・・。2015/02/01

さっちゃん

12
解説に其々絵画の写真があればいいのに。澁澤好みのシュールな絵画がズラリ。特にダリやバルテュスは面白かった。あまりこの手の絵画が好みではないので少々お腹いっぱいかな。2015/07/20

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