内容説明
1976年初冬。由緒ある華道家元の若き跡継ぎである原岡凜一は、従姉・省子の男ともだちだったアメリカンフットボール部のエース氷川享介と出逢う。その邂逅が、やがて二人の運命を変えていくことに……。冬から春、やがて夏へと移ろう季節の中で、彼等の思いはどこへ向かうのか。凜一の希みは叶えられるのか。少年たちの切ない恋を描く好評シリーズ第1弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honoka
38
通勤時にこの読書でトリップできてすこぶる仕事がはかどったさ。シリーズ最初の巻なのに、自分は3→2→1と読んだので、やっと負に落ちた感じ。凜一と氷川の出会いはともかく省子と内藤が嫌な感じだった。というかまともな人っていないんじゃないか?と思えるのに惹きこまれる世界。2014/08/04
ううちゃん
34
長野さんのいつものBL世界に漂って満足。いとこと間違われてキスされたことで、氷川に惹かれる凛一。自分の恋心を秘めようとして、ふと激流のように流れ出てしまう様がなんとも色っぽい。氷川もストレートなはずなのに、凛一を拒むでもなく自分の気持ちを見定めようとしてくれる男気がかっこいい。文庫本だったからか長野さんのあとがきがあり、線について書かれていた。「線は個人の身体そのものである」との記述に懐かしい美術専攻時代を思い出し、深く首肯した。2018/10/30
瑞佳
32
情緒のある美しい文章にとろんとして、それなりの修羅場を演じる物語なのに朝露のようなピュアな気持ちでさらさらと読めてしまう。透明感のある、その独特の雰囲気に酔っぱらってしまいそうだ。主人公の少年はそれはもうニンフのような存在感で、漫画にするととてつもなく麗しい美少年になるのだろうなあ。一族の人たちもやっぱりどこかヘンテコで、それは男同士の恋愛がどうのこうのというのじゃなく、身内としてどうなのよ?といった気持ちがぐるぐる渦巻いた。登場人物の誰にもみごとに感情移入できなくて、そこは正直こまった。2016/12/09
Y
28
凛一が自分さえ滅びそうになるほどの燃え滾る気持ちを抱きながらもそれを胸に秘めているのが色っぽいと思った。初めて知る植物の名前が多数登場する。植物の名前って美しいものが多いなあとしみじみ思った。そして京都にとても行きたくなった。氷川の自分のかっこよさに頓着してない感じがかっこいい。物語が進展するには必要なんだろうけど、個人的に千尋は大人のくせに美少年たちを引っ掻き回してばかりで苦手…。そしてまだ一面しか見えてないけれど、正午みたいな小悪魔キュート系男子も苦手。凛一と氷川が白昼堂々睦み合う情景を早く見たい。2018/01/04
まきこ.M
25
人が人に心を震わせる瞬間は切り取られた絵画のような印象的で忘れられない時を刻む。それは時に切なくて、嬉しくて、また苦しい。長野さんが大切に描く思春期の恋心は、不安定な風にゆられる瑞々しい葉っぱについている朝露のように、その時しか感じられないものに現れる美しさを漂わせている。喜び、嫉妬、動揺、甘美、不安、期待など感情の揺さぶりが混ざり合い、自然の描写に被せてより心が震えてしまう。移ろう季節とともに、変化してゆくそれぞれの想いの行方を追いたいと思う。2014/12/29
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