中公新書<br> 物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒

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中公新書
物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒

  • 著者名:牟田口義郎【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 中央公論新社(2013/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121015945

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内容説明

キリストを生みムハンマドを生んだ中東は、歴史上の転換点となった数々の事件の舞台であり、まさに世界の富と知の中心だった。ソロモン王とシバの女王の知恵くらべ。新興イスラーム勢力のペルシア帝国への挑戦と勝利。ムスリム商人による商業の隆盛と都市文化の繁栄。「蛮族」十字軍や、モンゴル帝国による進攻とその撃退。しかし、やがて地中海世界は衰退し、中東は帝国主義の蹂躙する所となる…。ドラマティックな歴史をたどろう。

目次

序章 中東の風土―われわれの認識は確かか
第1話 乳香と没薬―古代を知るためのキーワード
第2話 女王の都パルミラ―西アジアでいちばん美しい廃墟
第3話 アラブ帝国の出現―噴出したイスラーム・パワー
第4話 「蛮族」を迎え撃つ「聖戦」―反十字軍の系譜
第5話 風雲児バイバルス―一三世紀の国際関係
第6話 イスラーム世界と西ヨーロッパ―中世から近世へ
第7話 スエズのドラマ―世界最大の海洋運河をめぐって

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

27
パリ市民を狙ったムスリムの無差別テロは許されないが、ISの排除を謳ったシリア国民への無差別空爆は許される、のか。命を奪う大義名分を知るために。なるほど、日本人には違和しかないユーラシアの常識が載っている。メソポタミア、ペルシャ、エジプト、アラビアと高度な文明と文化を持つ地域が、ローマ、十字軍、モンゴル、英仏と度重なる侵入者によって征服され、英雄が現れて排除し、指導者の暗殺や暴走によって内紛となり、さらなる侵入を招く。連綿たる憎しみを肯定する異教徒というレッテルを外す一神教徒の経典のバージョンアップを望む。2015/12/21

かふ

21
中公新書の物語シリーズは、歴史を人物を通して、その人物を主役とする物語風に見ることで、その歴史を理解する歴史の入門書です。いろいろ各国の歴史物語の本が出ていて面白いのですが、最初に読んだ『物語 フランス革命』を読んで面白かったので、わかりにくい中東の歴史を知りたく読んでみました。この本で注意しなければならないのは、副題が「オリエント5000年の光芒」となっていることです。古代メソポタミアと古代エジプトとの関係ですね。以下https://note.com/aoyadokari/n/n2d6ef416a0732021/10/13

白義

21
イスラーム以前から続く中東の乱世を彩ってきた数々の英傑たちの列伝を中心にした中東と世界史の関わり。ソロモン王とシバの女王の元になったと思われる史実や、ローマに抗った女王の都パルミラ、中東の関ヶ原とも呼ばれるカーディシーヤの合戦など、史書としての収まりの良さよりもタイトル通り物語の豊かさ、偉人達の興亡を中心にしているのでどこからでも読めて、反面通史としてはそこまでまとまっていない。難しく考えず、サラディン、バイバルス、ザンギーなど派手な英雄たちのストーリー集として血を沸き立たせながら読むのが正解の一冊である2016/06/14

21
紀元前から現代までの中東地域の歴史を各時代の重要な点に的を絞って解説した新書。非常に長い歴史をコンパクト且つ面白く纏めている反面、多少物足りなく感じる部分もある。個人的には十字軍以前から続くイスラム海賊をイスラム圏の人びとがどう見ていたのかを知りたかったのと、中世以降、欧州に後れを取ってしまった原因についてもっと突っ込んで欲しかった。小さな不満点はあるものの、良書。2014/09/14

rokubrain

20
世界史を文字通り俯瞰するには、中東地域における権力闘争の歴史を見ることが必須だ。なぜなら中東は古より西洋と東洋の交差点であり計り知れない交通量が歴史の発展を作ってきたから。文化は水のように高いところから低いところへ流れるものだが、中世まで西洋と中東(キリスト教世界とイスラム教世界)の間には力関係の綱引きがあり、そこにモンゴルが外部勢力としてどちらかに軍事的な加勢となった。 15世紀半ばの大航海時代以降は、西洋の圧倒的な流れができたが、それ以前はイスラム世界の文化的な影響力の方が大きい。2021/05/12

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