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内容説明
二〇世紀後半のアジア諸国の政治を眺めると、七〇年代に始まる開発独裁の時代と、民主化運動の爆発や民主的政権交替が起こった八〇、九〇年代との対照が際立つ。なぜ、アジアに開発独裁政権が生まれ、その多くが八〇年代後半以降に終焉を迎えたのか。「市民」はどのような役割を果たしてきたのか。韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、シンガポールの政治と社会の構造的変容を概観し、アジア政治の今後を展望する。
目次
序章 現代アジア政治への視点
第1章 韓国―軍事独裁から民主化へ
第2章 台湾―国民党一党独裁から政権交替へ
第3章 インドネシア―スハルト開発主義国家の崩壊
第4章 マレーシア―揺れるマハティールの開発主義国家
第5章 シンガポール―開発主義国家維持の懸命な努力
第6章 開発主義国家をめぐる問題
第7章 市民社会をめぐる問題
終章 現代アジア政治の行方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
13
前期やっていたアジア政治。この本も引用などで読んだが、もう一度読了。アジア各国の基本的な政治構造について紹介されており、入門書として良いと思う。2016/10/11
Kentaro
9
戦後の独立により、アジア諸国は、政治、経済、社会、民族が多種多様である一方、バラバラな民族集団の乱立では国家としての統一が行えないため、韓国にしろ、台湾にしろ、インドネシアやマレーシア、シンガポール、フィリピンも皆、国家統合の道を歩んだ。 各国で軍事的に優位な政権が力を握る中、60年代には、貧困からの脱却に向けた開発の推進が望まれます。強権的な政府のもとでの開発のため、最初は民衆も貧困からの脱却を優先し、従いますが、貧困から先に抜け出しつつある国民からは市民社会への関心が高まります。2018/12/27
Mealla0v0
7
韓国・台湾・インドネシア・マレーシア・シンガポールといったアジア諸国は、第2次世界大戦後の独立から「開発独裁」に行き着いた。それぞれ固有の特色を持つが共通点も多い。権威主義国家が自らの存続の正統性として経済発展・開発を見出し邁進した。だが、アジア経済危機によって動揺すると、経済成長の結果として伸張した中間層による批判、市民社会の運動によって多くの体制は打倒され、民主化していった……。エッセンスはこうであるが、個人的に重要な点は、開発主義国家の概念は日本経済の分析のために生じていったということ。2021/08/29
sk
5
アジア諸国での開発主義独裁から市民社会への歴史的な流れ。理論的な把握がとても良い。2021/05/02
はりねずみ
3
韓国・台湾・インドネシア・マレーシア・シンガポールは、戦後、国内統治期→開発独裁期→民主化の流れをたどってきた点で共通しているという。著者は開発独裁と市民社会をキーワードに5カ国を浅く広く俯瞰する。市民社会がキーワードと言っておきながら、市民社会が果たした、これから果たすだろう役割について書かれている部分がすごく弱い。いまいちよくわからず。文章は平易で、5カ国の戦後の成長をざっと知るにはちょうどいいかも。2012/09/17
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