岩波文庫<br> 八十日間世界一周

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岩波文庫
八十日間世界一周

  • ISBN:9784003256930

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内容説明

1872年10月2日午後8時45分,ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は,多くの新聞が一斉にとりあげ狂気の沙汰と評した,80日間世界一周の旅に出た.彼はトランプ仲間と,1秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ.彼と忠実な従者パスパルトゥーを待ちうける波瀾万丈….

目次

目  次

 1 フィリアス・フォッグとパスパルトゥー、一方が主人に、他方が召使になることを了承しあう

 2 パスパルトゥー、ついに自分の理想を見出したと確信する

 3 フィリアス・フォッグが大変な結果をしょいこむことになる会話が交わされる

 4 フィリアス・フォッグ、彼の召使であるパスパルトゥーを仰天させる

 5 新銘柄株がロンドン市場に登場する

 6 刑事フィックス、きわめて当然の焦燥を示す

 7 こと捜査に関しては、パスポートが用をなさないことが改めて証明される

 8 パスパルトゥー、おそらくはいささか度をこして喋りすぎる

 9 紅海とインド洋上の航行はフィリアス・フォッグの計画に好都合に運ぶ

 10 パスパルトゥー、幸いにも片方の靴を無くしただけで事なきをえる

 11 フィリアス・フォッグ、とてつもなく高価な乗り物を買う

 12 フィリアス・フォッグとその同行者たちはインドの森林の中を突き進む。またその結末

 13 パスパルトゥー、幸運は大胆な者たちに微笑むことをまたしても証明してみせる

 14 フィリアス・フォッグ、ガンジス川の美しい渓谷に沿う道を、その眺めを見ようともしないままひたすら下っていく

 15 紙幣を入れた袋は更に数千ポンド分軽くなる

 16 フィックスは彼が耳にする話について、皆目知らないという顔をする

 17 シンガポールから香港までの航海中におきた色々なこと

 18 フィリアス・フォッグ、パスパルトゥー、フィックスは、めいめいそれぞれの仕事にかかる

 19 パスパルトゥー、自分の主人に強すぎる関心を抱く。そしてその結末

 20 フィックス、フィリアス・フォッグとじかに接触を持つ

 21 タンカデール号の船長が二〇〇ポンドの手当をもらいそこねる可能性がでてくる

 22 パスパルトゥー、たとえ地球の反対側にいてもポケットになにがしかの金を所持しておくことが身のためであると思い知る

 23 パスパルトゥーの鼻がとてつもなく長く伸びる

 24 太平洋横断がなしとげられる

 25 サンフランシスコの概観。政治集会の一日

 26 パシフィック鉄道会社の急行列車に乗車する

 27 パスパルトゥー、時速二〇マイルで走りながらモルモンの歴史の講義を受ける

 28 パスパルトゥー、理性の言語を理解させることが不可能となる

 29 合衆国鉄道においてしか起こりえないような様々な出来事についての物語

 30 フィリアス・フォッグ、ごく単純に己の義務を果たす

 31 刑事フィックス、きわめて真剣にフィリアス・フォッグのことを気遣う

 32 フィリアス・フォッグ、直々に悪運との闘いに乗り出す

 33 フィリアス・フォッグ、彼の能力を遺憾なく発揮する

 34 パスパルトゥーに、残酷な、しかしおそらく誰も耳にしたことのない洒落を発する機会が与えられる

 35 パスパルトゥー、主人に同じ命令は二度繰り返させない

 36 フィリアス・フォッグ、再び市場の価格をつりあげる

 37 フィリアス・フォッグがこの世界一周の旅で儲けたのは、幸福だけであったことが証明される
   解  説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

118
自らの名誉と破産をかけて80日で世界一周に挑む英国紳士。異文化、文明開花、そして移動を時間に還元することの関心が強かった時代ならではのスリルと高揚。異国描写は雑誌の記事に依拠したもので、当時の欧州人から見た当地の印象が垣間見れる。特にゾロアスター教の風習、英国の阿片商売や米国人の無神経さなどの風刺が強烈。金で押し通す主人公の周囲は常に損益・貸借の意識がつきまとうが、一行が見せるそれを超越した言動こそが本作の魅力だ。それは著者たちが染まりゆく経済至上主義への嘲笑ともとれる。計算だけの生き方に人は惹かれない。2021/09/10

goro@80.7

66
その昔、10枚組の映画音楽集のレコードを買ってもらって毎日聴いていた中にこの映画のテーマ曲が入ってた。映画は観ていなかったけどビクター・ヤングのメロディは忘れられなかった。あれからウン十年、漸く原作を読むことが出来ました。賭けのために旅立った英国紳士フォッグと召使パスパルトゥーの80日間の冒険の旅は波瀾万丈。お金で解決しちゃうことろはあるけれど婦人救出やパスパルトゥーを助けるなど冷たそうで熱い紳士フォッグなのです。船、汽車、橇に像と二人と共に楽しい旅でした。映画も観なければ!2021/01/08

だんたろう

48
申し訳ありませんでした。と素直に謝りたい。児童文学に毛が生えたようなものと高を括っておりました。いやはやこれほどまでに引き込まれるとは予想外。はらはらどきどきの連続で、上質のエンターテインメントであることに間違いはない。まるで自分も一緒に旅をしているような臨場感で、これもひとえに翻訳者の力も大きいだろう。多くの作品が生まれては消えていく中で、残り続ける作品にはそれなりの理由が存在する。地球上の大抵の物はお金で手に入れることができるが、お金以外で手に入れるものに何よりの価値がある。フォッグ氏が教えてくれた。2016/08/30

Tadashi_N

31
世界一周が冒険だったころの、ハラハラさせられる道中記。名作であることも納得した。2020/03/04

旗本多忙

17
1870年代‥イギリス紳士のフォッグは財と上流人の品位はあったが変わり者だった。ある時、革新クラブの仲間内で、世界一周は80日きっかりで回れるか否かいう話になり、皆は出来ぬと言い、フォッグは出来ると言って2万ポンドを賭ける。それを証明するために召使いとロンドンを発った。不測の事態も予期の内と言い、困難な事態が先々で起こる。しかし顔色一つ変えないフォッグ。日にちは迫る‥‥果たして完遂できるのか。冒険の最高傑作!2017/06/18

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