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内容説明
明治日本の主要な課題は、近代国家の建設にあった。ただ、その方向に異論はなくとも、内容については議論が分かれ、西洋文明の受容に重大な役割を演じた福沢と中江も、対照的な反応を示す。ともに私塾を興すが、実学尊重の慶応義塾、古典教養に執着する仏学塾と、教育理念は両者の世界観を反映し相違を見せた。同年に没した思想家二人の文明論・国家論を、現代の問題関心から読み起こし、新世紀の展望を拓く。
目次
1 はじめに―没後100年
2 福沢と中江の生涯―比較対照される二人
3 慶応義塾と仏学塾―両塾の特徴
4 功利主義の功罪―近代社会と進化
5 西欧文明をどうみたか―「開化」のとらえ方
6 アジアをどうみたか―脱亜論と人間同等論
7 西欧化と伝統―実学と教養
8 文明と侵略―文明論的発想の限界