内容説明
独創的話術と奇行で知られ一世を風靡した奇才桂春団治。〈微妙猥雑〉な上方弁を駆使し落語界を席巻、上方落語の全盛期を築いた春団治の一代記を、出生から57歳の死まで、詳細綿密な調査と多彩な資料で裏付け書下ろした傑作評伝。「桂春団治年譜」「上方落語年表」などを付すほか「紅梅亭界隈」「東松トミの半生――桂春団治外伝の一つ」を併録。毎日出版文化賞受賞。
目次
桂春団治
紅梅亭界隈
東松トミの半生
感想・レビュー
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kiiseegen
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桂春団治の一代記と他2編で、上方落語全盛期を知る事が出来る。春団治に付いてはある程度知ってるつもりが、嘘が結構多い事に驚いた。併録の「紅梅亭界隈」、「東松トミの半生」は、咄家の妻を主体に当時の落語界気風がわかった。2014/07/23
1131you
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最初の関係者の戸籍を辿るパートが退屈すぎてどうしようかと思ったが話が動き出すととても面白かった。すごくドライな文体な分、破天荒な春團治や染丸の気風や哀愁が際立つ。東松トミが穏やかな晩年を送れたのかどうかだけが気がかり。わかってはいたけど山崎豊子の「花のれん」ってすごくきれいに仕上がってるんだなあと2022/10/06