内容説明
世界の40数カ所の伝統的集落について、各集落の生成因を布置、配列、表徴の3つの視点から解説した比較文化的な集落論。集落探訪は近代化が捨ててきた価値を再発見し、ホモジニアス(均質)からヘテロジニアス(異質)な世界観に回帰する旅である。集落は多様で、同じ風土にあっても異なる様式の集落が造られる。そこでは、共同体の維持という目的を演出するための「差違性」が生活のあらゆる局面に登場する。集落空間の幾何学的な様相と空間概念の差違性を照応することで、従来の風土論では説明できない「多様性」と「独自性」を語ることが可能となる。
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目次
1 旅の始まり(60年代から70年代へ 集落調査へ ほか)
2 構想のスキーマ(空間図式 序列化と中心概念 ほか)
3 差違性の演出(立地場所について 集落形態について ほか)
4 空間生成の技法(布置の論理 配列の論理 ほか)
5 おわりに(契機としての風土 試される構想力)