フラワーコミックスα<br> イグアナの娘

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フラワーコミックスα
イグアナの娘

  • 著者名:萩尾望都【著】
  • 価格 ¥561(本体¥510)
  • 小学館(2014/08発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784091913814

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内容説明

その日、生まれてきたのはとても可愛い女の子だった。だけどなぜか母親の目には、その子の姿がイグアナに見える…。母と娘の間に横たわる愛と憎しみの葛藤を描いた表題作ほか、両親にスポイルされた少年が人生をみつけるために戻らなければならなかった場所「カタルシス」、アバンチュールへの一瞬の迷い「午後の日射し」、コミックス未収録の短編「帰ってくる子」など6編の異色傑作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

119
モト様の天才ぶりが実感できる短編集。中年の女性が料理教室で出会った年下の男性に惹かれていく「午後の日射し」は一歩間違えば、単なる昼メロになってしまう話だが、巧みなプロットと存在感のある登場人物を配置することで、ほろ苦く、味わい深い作品になっている。グロテスクな物語の展開に驚く表題作は奇想天外な話でありながら、母と娘の間にある愛情と憎しみを普遍的に表現していると思った。2014/03/18

♪みどりpiyopiyo♪

102
初めて萩尾望都さんを読みました。表題作を含む6編の短編。漫画です。■リアルでしんどいとは聞いてたけど、これは…。■コンプレックスは子を持つことで増大する。幼い子にとって親は絶対の存在で、どんなに理不尽でも親の主張は「正しい」のだ。だからこそ、親の言動が現実を侵食して祝福にも呪いにもなり、糧にも毒にもなるんだよね。最後は自立のための『葬い』だったのかな。■どの話も解れていってホッとしました。今 苦しい人にも、かつて苦しかった人にも。(初出 1985〜98年)(→続2018/04/02

優希

91
短い作品ばかりですが、どれも独特の世界観がありました。濃密な物語に心の中を描きこむ。人を拒んだり、葛藤したりする心情に共感します。名作が故にその世界の中に引き込まれ、辛くなったりもする。それでもこのような漫画を読める幸せを噛みしめずにはいられません。2016/10/05

ばう

65
『ポーの一族』『トーマの心臓』『11人いる!』…子供の頃大好きで読んでいた萩尾望都さん。大人になって漫画を読まなくなった時期にこんな作品を作られていたとは。母親の目にはイグアナに見える娘、事故死した弟に心を囚われている兄、自分の思い通りの人生を送らせようとする親から脱却しようともがく予備校生、「夫婦は他人」と言い切る夫の言葉に心が揺れ動く主婦など、あの幻想的な漫画とは全く違う、人間の等身大の悩みがこの一冊に詰まっている。特に表題作は中身が濃くて長編漫画を読んだような読後感です。やっぱり萩尾望都さんは凄い。2023/06/30

はつばあば

40
「少年A」を読んでる途中にも関わらず、この本を手に取ってしまった。この歳にして始めて読んだ「イグアナの娘」。サラリーマン家庭は父親不在に近い。母子の葛藤・少年Aもそうだったのだろうかと思いながら・・・。母親は子供達を同一に愛せないものなのだろうか。母親も一個の個人。好き嫌いはあるだろうが・・・限度というものがある。可愛い可愛いと育てた子は寄りつかず、イグアナだった子に老後の世話を任せねばならなくなった時、その母親はどうするのだろう・・・なんて要らぬ心配をしてしまう2015/04/25

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