内容説明
あのときああすればよかった、こうすればよかった――人間関係でも仕事でも、私たちはさまざまな妄情に悩まされ、過去に制約されて暮らしている。いまほど、忘れる、捨てる、簡素化する、といった東洋の知恵が必要なときはない。猛烈に忘れ去り、切り捨てることで、新しい生命感が満ち、独創性が蘇る。禅の奥義を極めた著者による、達観の書。
目次
1 現代人は記憶過剰である
2 なぜ、それが忘れられないか(執着する人間の悲劇 煩悩は殺すべきか 過去の重圧、未来の不安 なぜ、あやまちを恐れるか ほか)
3 肉体が、それを忘れさせる(呼吸が精神を左右する 坐るとは、最高に活動することだ)
4 忘れたあとの人間(生きているとは、どういうことか 人生を遊ぶ精神 拈華微笑の世界へ)