内容説明
収賄事件でK島の診療所長に飛ばされた元国立病院内科部長の神崎は、ひそかに〈ゼロ計画(プラン)〉なる犯行を企てた。成功すれば、大金と国外での甘い生活が約束されていた。一方、神崎のグループから逃走した一人の男が刺され、私立探偵左文字進の妻史子の腕の中で「阻止してくれ、ゼロ計画(プラン)を……」のダイイング・メッセージを残して死んだ。〈ゼロ計画(プラン)〉とは何か? スリルとサスペンスで読者を魅了する傑作長篇。左文字進探偵事務所シリーズ第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
20
左文字探偵シリーズ。最初の誘拐は犯人が大胆すぎてすごい。そしてゼロ計画はどんどんと…。しかしラストが…これはこれで終わりなのかな。2021/04/05
じーつー
12
探偵左文字の嫁が遭遇した男から知ることになったゼロ計画。 与えられたヒントはその言葉のみ。 決行日時や内容が一切わからない計画を阻止することになる。 ごく僅かな情報から犯人の思惑にたどり着いていく左文字の探偵様がお見事。 特にラストのシーンまで、左文字も動きながら思考を張り巡らせるから臨場感があって面白かった。 「戦う場合は、フェア・プレイで戦うということだ。たとえ、相手が卑劣な手段をとろうともだ。また、嫌いな人間でも、彼が痛めつけられている時には、それを助けるのに全力を尽くす。それが、僕の信条だ」2022/07/31
浅木原
1
左文字の誘拐もの。前半は犯行の大胆さに比べて犯人があまりにも小物オブ小物なので、おいおいこんなんで大丈夫かいなと心配になるけれど、中盤からは《ゼロ計画》とは何か、という謎に再びスポットが当たり、スケールの大きい話になってきて盛り上がる。例によって現代的なディテールをかっ飛ばして進むため、『華麗なる誘拐』同様に安っぽくなる難はあるし、ミステリとしての真相も解決前にバレバレになってしまうんだけど、《ゼロ計画》という大胆なアイデア一点勝負の作品なので許せる範囲。面白かった。でもオチは『盗まれた都市』と同じかよ!2015/10/07
pyonko
1
身代金誘拐が大きな陰謀へと展開していく。 最後に巨大な敵がいるような含みで終わったけれど、 以降の話で解決されているのだろうか…。2014/03/30
タチンコンメ
1
さもんじ、ここまでは好きだったんです。2012/01/28