内容説明
雲見番番頭の亜智一郎は、日がな一日ぼんやりと空を眺めている。だがそれは仮の姿であり、実際は将軍直属の隠密方であった。しかも彼を取り巻く人々は、かつての泡坂作品に登場した人物たちと、因縁浅からぬ関係が!?尊王攘夷に揺れる幕末で次々に起こる怪事件を、雲見番が粛々と解決してゆく連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
3
決して亜愛一郎シリーズを踏襲するような二番煎じは行わず、これは云わば泡坂版『仕事人』である。『必殺』は敢えて除いておこう、血生臭い話が並んでいるわけではないので。亜智一郎を筆頭に、芝居好きな似非荒武者緋熊重三郎に、甲賀忍術を体得した藻湖猛蔵、豪腕誇る古山奈津之助の4名で構成された雲見番衆。とてもこの一冊で終わるのは勿体ないではないか!!!願わくばシリーズ化を求むが、それも叶わぬ話か・・・。2009/05/21
みー
2
伏線のあるミステリー。この作品を読んで以来泡坂さんに嵌まりました。
ゆーいちろー
2
風雲急を告げる時代背景を伏線としてあげながら、これで終わりかと思うと、少々物足りなく感じる。わたしが勘繰るに、おそらく作者は史実と連動させて、もっと長いシリーズにしようと考えていたのではないか。例えば雲見番の面々が京都に出張して、不逞浪士の陰謀を暴いたり、あるいは小栗上野介に協力して幕府の財宝を隠したりとか・・・。明治編なんてのもあれば楽しかったのに、もう続くことはないのが悲しい。2010/07/10
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