内容説明
ドライブの途中、4人が迷い込んだ山荘には、1台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベッドと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが……。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
441
あらすじで、すっげぇつまんなさそうと思えてしまい、なかなか興味が沸かなかった一冊。結果、喰わず嫌いであった。コレを安楽椅子探偵言っていいかは疑問だが、本書の醍醐味はそこではないと思う。色々と仮説が浮かんでは消えていき、結末がアレならば、別にこの説を採用しても良かったんじゃないのかな?と思うものもいくつかあるにも関わらず、最終的な正解の説以外は重箱の隅をつついて割とバッサリ切り捨てているのが個人的には少し残念。ラストをああいう飛躍したものにもっていくならばこそ、否定の材料はもう少し強固であって欲しかった。2017/11/05
mae.dat
264
ビール本だと思って探してみたのですが見つからなくて。2000年発売。成る程です。「今日も元気だ ビールが美味い」の人としては、少々頂けない事がありまして。居酒屋さんでも時々あるのですが、ジョッキーを凍らせるの。それがヱビスビールであるなら尚更なのよ。善かれと思ってやってくれているので、気持ちは汲めるんだけどね。冷やす位迄にして欲しい。ビールを飲み切ったとは書いていなかったと思うのですが、相当量飲みましたね。急性アルコール中毒にならないんだ。それに理路整然と話せるのか。ちょっと話は諄いかな。それも策戦か。2025/09/10
nobby
134
実に2年ぶりなタック&タカチ2作目は全編で麦酒に溢れるばかり。牛を見に訪れた傷心旅行の帰り道、まさかのガス欠…彷徨い辿り着いた別荘で目にしたのは、ベッド一台と隠された冷蔵庫にキンキンに冷やされた13個のジョッキとヱビスビール96本、まさに“麦酒の家”。何とも意味不明な状況を、ひたすらビールを呑みながら、あれやこれや推理を繰り広げる。一晩4人合わせて500ml缶×49本!その状況だけで、よくもまぁいろんな顛末を想像する様に呆れながらも面白い(笑)最後捻りあって辿り着く真相は、なるほどと伏線繋がるのはさすが。2018/03/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
134
匠千暁その3。ベッドとビールの入った冷蔵庫以外に何もない山荘に迷い込み、何故このような状態なのかをひたすら推理していく。安楽椅子の醍醐味ではあるがこれをよく長編にできたものだ・・・。2015/08/29
セウテス
77
タック&タカチシリーズ第3弾、時系列から言えば第2作目です。私はシリーズ物が大好きなのですが、それは登場人物達と知り合いである、彼らを理解できると錯覚して読める事に尽きるのです。この作品は正に主人公たちを、更に理解する為にある作品です。たまたま彼らが迷い込んだ山荘には、何故か一台のベッドと缶ビールでいっぱいの冷蔵庫しか無かった。四人はビールを頂きながら、あれやこれやと推理合戦を展開していく。派手な動きは無いものの、これぞ謎解き=ミステリの基本的スタイル。作者が安楽椅子探偵を、好きだと言うのがよく解ります。2015/09/10