- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
とても興味があるけれど、むずかしくて理解できない……そんな代表的なものが、アインシュタインが提唱した「相対性理論」だろう。ところが、現代物理学にはその相対性理論よりも難しく、奇妙で、なおかつとても面白い理論がある。それが「量子論」。一番身近な例をあげると、最近はほとんどの人が持っている携帯電話やパソコンのもっとも重要な部品ともいえる半導体チップの中を支配している法則である。こればかりではなく、素粒子などのミクロの世界に適用されるもので、人などの遺伝子など生物の構造や進化、そしてマクロの極限である宇宙の創生までを解明するとされている。本書は、その量子論のポイントが一目で理解できるように、図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説した格好の入門書。最先端物理学の不思議な世界を手軽に味わうことができる。監修は宇宙物理学を世界的にリードしている東京大学の佐藤勝彦教授。
目次
序章 量子論の世界へようこそ<br/>1章 量子の誕生―量子論前夜<br/>2章 原子の中の世界へ―前期量子論<br/>3章 見ようとすると見えない波―量子論の完成<br/>4章 自然の本当の姿を求めて―量子論の本質に迫る<br/>5章 枝分かれしていく世界―解釈問題を追う<br/>6章 究極の理論へ向けて―量子論が切り開く世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
133
大雑把にいって光とは、粒子と波動という2つの性質を同時に併せ持つということを極小レベルで取り扱ったものが量子論とされる。あまりにも極小レベルなので日常における人間レベルでは認識できない。よって“シュレーディンガーの猫”なるパラドックスを招くのだが、これはすべて“ハイゼンベルクの不確定性原理”が起因している。ある特定の粒子の位置と運動量の関係を突き詰めていくと確率論的にしか特定できないということ。ただ擬似的に自分たちでも認識する方法がある。それは早い速度で移動する乗り物に乗り、外の景色を見ると体験できる。2015/01/13
ehirano1
111
理解することよりも本書のタイトルにあるように「楽しむ」ことに焦点を当てた結果、わからないこと、いやひょっとしたら未だわかっていないことがあるんじゃないかとワクワクしました。理解できるから楽しめるのではなく、わからないことだらけと禅問答まがいのことや果てはパラレルワールドも解釈に加わり、それはそれはワクワクしっぱなしでした。序章にも「量子論」は自然界全体の仕組みがどうなっているかを表した“考え方”や“思想”です、と書いてありますしね。2018/05/12
(C17H26O4)
88
うわあ、面白い。とても面白かったです。おすすめしてくださった読友さん、ありがとうございます。初めて量子論に触れる人にも興味深く読めるよう、大変親切に書かれています。順を追って、頻繁に振り返り繰り返し、重要なことは太字で。しかも章ごとのまとめもあって至れり尽くせり。読み飛ばすこともなく、付箋いっぱい貼ってわくわくしながら最後まで読めたなんて感激です。感動です。新しい知識が増えてだいぶ興奮しています。2019/10/18
ehirano1
76
願わくば、冒頭のシュレディンガーのネコ、ボーア、アインシュタインの一匹と2者で終始続けてほしかったなぁ・・・。2022/07/02
SOHSA
53
《kindle》難しくて不可思議でしかしかつ面白い。量子論は相対性理論とともに20世紀最大の発見と呼ばれているが、やはり私のような門外漢には到底理解はかなわない。だが、ほんの少しだけチラリと見えるこの世界の在りようはやはり読み手の心を惹きつけずにはいられない。相対性理論とともに量子論に向き合っていくと、自らの思考が自ずと哲学に及んでいき、それは私自身とても面白く不思議な感覚だった。世界の成り立ちはまだまだ解明されてはいない。その過程に今の私達が存在していると思うと胸が言いようもなくざわついて仕方がない。2019/03/03