内容説明
日本を代表する詩人・評論家の大岡信による名句・名歌アンソロジー。万葉の時代から現代まで、古今の「冬・新年」の秀作を精選し、詩情あふれる解説で綴る。冬・新年のエッセイ5編も収録。
目次
時雨
雪
氷
正月
鴨
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
12
「しんしんと寒さがたのし歩みゆく」(星野立子)・「雪の夜の紅茶の色を愛しけり」(日野草城)・・・はやく草城の全集を読まねば。2020/03/07
ダイキ
2
「凩の地にもおとさぬしぐれ哉」(向井去來)・「淋しさの底ぬけて降るみぞれかな」(内藤丈草)・「木がらしや目刺にのこる海のいろ」(芥川龍之介)・「草枯や海士が墓皆海に向く」(石井露月)・「はつとしてわれに返れば満目の冬草山をわが歩み居り」(若山牧水)・「世間は霰よなう 笹の葉の上の さらさらさつと 降るよなう」(閑吟集)・「しんしんと寒さがたのし歩みゆく」(星野立子)・「あげまきがうかるる声もおもしろしふれふれ粉雪(こゆき)山つくるまで」(加納諸平)2019/12/05
misui
1
「しぐるるや駅に西口東口」(安住敦)、「ゆきふるといひしばかりの人しづか」(室生犀星)、「難波潟あしまの氷消ぬがうへに雪降りかさぬ面白の身や」(源俊頼)、「ふゆの夜や針うしなふておそろしき」(桜井梅室)、「最澄の瞑目つづく冬の畦」(宇佐美魚目)、「むさゝびの小鳥食み居る枯野哉」(与謝蕪村)、「土手を外れ枯野の犬となりゆけり」(山口誓子)2020/08/20
ダイキ
1
「〔灯火に氷れる筆を焦しけり 吉分大魯〕寒夜、筆の穂先がかたく氷りついているのを溶かそうとして、つい筆をこがしてしまったのである。古人の詩も文章も、すべてそんな生活から生まれたのだった。」2019/01/08