内容説明
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
110
★★★☆☆ 一千万の貯金と共に消えた妻、全て失った40男の話。現実離れし過ぎの凄く荒んだ内容で終始インパクト最強!好き嫌い?賛否両論?ありそうな作品ですよ。脱線話ですが、人生って何かをひとつ掛け違うと 想像外に転がり落ち、また戻り道の選択を間違えると さらにとりかえしがつかない困難な所へと迷い込んでしまうような。。当方、たまに考えるんですよ、選択肢があった場合にこの選択で良かったのかって。昨日の食べるべきケーキはモンブランじゃなく普通のショートケーキだったかと。こんな小っちゃいこっちゃないか。2016/05/16
chimako
105
花村萬月 初読み。信頼する読友さんのレビューに時々登場して気になっていた作家。なるほど。こんな作風なんですね。とは言え、若書きなのか青臭い感じが否めないような。官能的な部分も何となくしっくり来ないと思うのは読みが浅いのでしょうか?物語としてはなかなか面白く、失踪した妻の弟アキラが胆。愛されずに育ってしまった者のなげやりな生き方が哀しい。ともに生きることになるソープ嬢に「お前は真っ白だよ」と言える主人公諏訪。そのソープ嬢の底抜けに深い情念とも言える愛情。しかし、少々長過ぎる。花村萬月の真骨頂、読んでみたい。2017/05/08
ehirano1
74
「みんな月でした」というセリフがとっても印象的で、心に残りました。但し、エロとバイオレンスが漏れなく付いています。2015/09/25
はつばあば
65
なんとまぁとてもノレた読み物でした。冴えない中年のおっさんが女房に金を持ち逃げされ・・凹むオッサンを女房の弟が。この弟・アキラもオッサンも由美もとても味がある。性の事に関してはオッサンと同じく興味津々で、ほ~っとため息。アキラの衝動に対しては酷い奴だと思いながらも、なんだか憎めない書き方をしてる。どの登場人物にも作者の愛情が溢れているというか、大人の本でした!。ほんと一気読みでした。大人と自負される方に是非(^_-)-☆2016/05/18
nonpono
57
「みんな月でした」という書き置きを残して消えた妻を探す男の再生の物語。奥田瑛二が主人公を演じた映画もセットでおすすめ。みんな、言いたいことはあるのに、みんな、どこまでも不器用だね。物哀しいけどページを読む手が止まらない。「愚かでなければ、愛せない。愚かでなければ、愛する資格もない。」。小説も映画も同じ場所で、必ず泣く。わたしは、子供みたいに泣きじゃくりたくなる。わたしの何かを、わたしの欲しかったものを抉って、貫いちゃうんだ。大好きなわたしの蔵書の一つ。ほんとに大事な人の手は、もう離したくないよ。絶対にね。2023/03/28
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