単行本<br> ひまわりの森

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単行本
ひまわりの森

  • ISBN:9784152082404

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内容説明

見知らぬ少年を我が子と思いこみ、恐ろしい事件を引き起こした母親の心を蝕んでいたのは、戦争中の凄惨な経験だった……。心に深い傷を負って苦悩する母親と、彼女を抱えて懸命に生きる家族の姿を哀感をこめて描き、人気作家が新境地に挑んだ愛と祈りの感動作。/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

76
力作ですね。 途中まではヤングケアラー問題のYAか、と思ってたんですが・・アメリカの田舎(カンザス)にもナチスの爪痕はある。 主人公の家庭ではドイツ語、英語、ハンガリー語が入り乱れている状況。 後半ウェールズとアメリカの対比が興味深い。 ウェールズ語は語頭が変化する語が多々あり、”そぞろ歩き”と呼ぶそう ”ザリガニが鳴くところ”に匹敵するかな2022/02/05

慧の本箱

16
『シーラという子』に衝撃を受けてそれ以来トリイ・ヘイデンの著書を読み漁ってたころの本書、久々に再読。『シーラという子』をはじめ彼女の一連の著書は殆どがノンフィクション。この『ひまわりの森』は実話をもとに書かれた初の小説。さすがトリイ。主人公の17歳のレスリー、9歳の妹のミーガンは生き生きと描かれ、母マーラの言動に翻弄されつつも愛情を必死につかもうとする姿が目に浮かぶようです。レスリーが父親に愛の見返りを問う場面で、父親は「愛するということが自分たちの自由な意思でできる唯一の行動」だからそれで充分なんだと。2020/02/24

nightbird

6
1984年発表なので言葉は存在しなかったかもしれないけど、ヤングケアラーの物語。戦時中の体験がもとで精神を病んでいるお母さん、稼ぎの少ないお父さん、幼い妹。しっかり者の長女。お父さんは善人だし、お母さんにとってはどんな妻になってしまっても愛を注ぐ素晴らしい夫なのかも知れないが、長女をしばしば学校休ませて妻の介護役に使ってて父親としては酷い。辛すぎて長女が爆発すると愛とかいう言葉で説き伏せてしまうのも酷い。お母さんがこうなったのは本人のせいじゃないが、今の彼女は娘たちにとってはずるいし酷い存在なのも確か。2021/06/15

みどりのうさぎ

5
生涯で、一番好きな本。夫に深く、激しく愛し抜かれるマーラが羨ましくてしょうがない。オマリーとマーラの愛の絆が大好きです!!

ぽに

2
作者さんの作品を色々読んできた中で、事実を元にしているとはいえ初のフィクション小説。読んでいて序盤からずっと思っていたのは、この家に生まれなくて良かった、ということ。母は事情があるとはいえ一癖もふた癖もある、極端で妄想癖のある扱いの大変な人だし、妹はとにかくうるさいし。父は、奥さんにとっては良い旦那だったのかもしれないけど、良い父ではなかった。そして困った時に、あんな思いやりのないキャロラインおばさんに頼むしかないなんて。なんだか私は読み終えてもなんとなくモヤモヤが残ったまま。読むのに時間がかかった一冊。2020/10/31

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